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【923】 | みゆりんりんさんへ 「怒り」への返信1 ゆさみん (2016年12月02日 21時41分) |
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では、あらためて、みゆりんりんさんに返信いたします。 >観るか?と問われると・・・観ない(笑) >原作でネットリとし、最後までスッキリ感が無い本作品。 >映像までも食らいたくないと言うのが本音w よっく、分かります。私だって小説読んでいたら観ることないでしょう。 「怒り」と同じ作者の吉田修一氏の原作「横道世之介」の映画版がすこぶる良かったので、観た次第。 >『怒』に関しては、何の表現も曰くも書かれていない。 >ただひたすら、犯人が全てに怒ってたんじゃないだろうかと想像するのみ。 なるほど、やはりそうなんだ。 怒りの理由については映画版ではよく表現されていたと思います。 社会の底辺にいる主人公が、その日紹介されたところにいって日銭をかせいで、やっと食えるという仕事をしている。そのように生活して生きていくしかない。 で、ある日暑い中、指定されたところに行ったら誰もいない。問い合わせたら「その場所、一週間前の仕事の場所ですよ」と笑いながらいわれる。 騙され、からかわれたと怒りが沸くが、電話は切れ、怒りをぶつける相手はわからない。 がっくりきて、動く気力も無くなり、そこそこ裕福そうな家の前でぐったりして休んでいると、それを見た家の女性が親切心で盆に載せた水を差し出す。 「そりゃあ、殺すよね」 怒りをぶつけられ惨殺された夫婦にとっては、とばっちり以外の何物でも無いけれど、それが殺す動機になるというのは、そこは納得させられました。 ただ、やはり気になるのはラストにいたる過程。 (どうも「ですます調」では勝手が悪いので、以下「である調」で書きます) >犯人に絡んだ舞台のラストが一番悶々と・・・ うーん、やはり原作もそうなのかあ。 私は、ある人物が犯人とわかった後に、 「じゃあ、例の高校生の彼女に対して以前に彼がとった親身な感情は一体何?」 ということを思ってしまうのだ。 結局は、残虐な犯人なりの二面性で、単に「親身になるふりをして、実は彼女をからかっておもしろがっていただけだ」 といえば、理由付けが可能であるのだが、ある意味、犯人役の役者さんの「演技がうますぎて」そのシーンでは心から親身になっているようにしか見えない。 それだから、例の高校生の彼女も、最初に出会うシーンでは、傍目には怪しい人のように思える犯人に心を許すわけであり、結局、心を許した彼女の見る目がなかったということになる。 で、実は犯人には二面性があったというのは、それはないんじゃない? とツッコミたくなってしまうのだ。 ある意味、親身になる「ふりの」演技をしているように見えれば、なるほど、と納得できる気もするのだが、それだったら、途中で「ヤツが犯人だ」と観客にさとらせてしまう可能性もあるわけで、難しいところだとは思う。 だからか、これでは説得力が無いと思ったのか、ラストに近いところで犯人が高校生の家をめちゃくちゃにするなど異常性の描写もある。 でも、やはり説得力が弱い。 そこが一つ納得できない点。 |
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【924】 |
みゆりんりん (2016年12月05日 09時09分) |
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これは 【923】 に対する返信です。 | |||
☆ゆさみんさん しかし、それこそが底辺に生きるしかない自分との差を見せつけられる行為であり、まさに彼の怒りの本質なのだ。 その怒りを「親切にしてくれる人」は絶対に分からないであろう。底辺で這いつくばって生きるしかない彼とは、住んでいる世界が違うのだ。 だから、その全てに彼は怒りをぶつけるしかないのだ。 その解釈だと思います。 読んだ後『んで?一体どこを一番強く言いたかったんだ?』とか考えさせられて、もやぁ〜っとそういうニュアンスで落ち着くんだろうと思いますが。 >で、ある日暑い中、指定されたところに行ったら誰もいない。問い合わせたら「その場所、一週間前の仕事の場所ですよ」と笑いながらいわれる。 >騙され、からかわれたと怒りが沸くが、電話は切れ、怒りをぶつける相手はわからない。 >がっくりきて、動く気力も無くなり、そこそこ裕福そうな家の前でぐったりして休んでいると、それを見た家の女性が親切心で盆に載せた水を差し出す。 書いてありましたが・・・ 最後にやらかしたかどうかはうやむやっぽく、断片的な表現でしたよね? まとめると『やっぱり、こいつだよねぇ・・・』と納得はするんですが。 それだけで?と思うから、その時はあまり重要に思わなくて。 『んなだけで、そういう行動に出てたら大変じゃん』と思うからこそ、それだけの理由でないだろうとか。 読んでて『それだけで?』と思う読み手を煙に巻く仕上がり感を目指したのかな? それだけで?と思うのは、普通に生きてる人間だけが持ってる感覚であって、苦しんでたり報われたりしてない、一方的に迫害を受けてるって思ってる人間は、もっと同調するはずだって・・・ どんなに怒り心頭でも、どんなに何かに八つ当たりしようとも。 殺人にはそうそう向かわないでしょう。 うだる暑さの中、右往左往の末に半笑いでザコ扱い。 勿論腹立たしさと悔しさは誰でもが持つでしょうが。 だからと言って、偶々の親切に、そう切り返す根性は誰もありませんって。 簡単に一線を飛び越えられる曖昧さが現在は増えているからこその、作中の理由を想像して『んなアホな・・・でも絶対無いとは言えない』って感覚だけは残りましたが(笑) |
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