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【792】

冬の華  評価

ゆさみん (2015年09月21日 13時55分)

久しぶりに「冬の華」(1978年)を見た。
WOWOWでも初放送だし、地上波でもここ数十年くらい放送してないのではないかな。
出演は高倉健、北大路欣也、池上季実子、田中邦衛、夏八木勲、小池朝雄、三浦洋一など。
主なスタッフは
監督:降旗康男
脚本:倉本聰
企画:俊藤浩滋、橋本慶一
音楽:クロード・チアリ
など。

ウィキペディアの概要では・・・
横浜を舞台に、高倉健演じる義理堅い昔気質のヤクザが暴力団抗争に巻き込まれていく様子を描いている。キャストは従来の東映ヤクザ映画の常連で固められているが、音楽はクロード・チアリが担当しているほか、クラシック音楽や絵画がストーリーのポイントになっているなど、芸術性を帯びた作風になっており、異色のヤクザ映画である。

まあ、ヤクザ映画にクラシック音楽とか、主役の高倉健が、あしながおじさんとして過去に殺した男の娘の教育費用を出していて、その娘が「おじさま」に会えるのを楽しみにしていて「待ってます。待ってます。待ってます。待ってます。」と手紙のやりとりをしているところがしょっちゅう出ていたりとか・・・・まあ異色やわな。

結局、堅気になろうとする高倉が、義理人情のしがらみから抗争に巻き込まれていくことになっていくのだけれど、ちゃらら〜とかジャーンといった音楽ではなく、クロード・チアリのギターが随所に出てきて、映画全体を従来のヤクザ映画とは雰囲気を異にしている。

倉本聰氏の「北の国から」に通じるセンチメンタリズムが出ていて、ここらへんを「ヤクザ映画をなんちゅうおセンチな映画にしとんねん」と思うか「ヤクザ映画の異色の名作」ととらえるかで評価が分かれるだろう。

まあ、この映画、ぶっちゃけ倉本聰氏のドラマ「北の国から」が好きな人は好きで、嫌いな人は嫌いだろうなあ。

けっこう「北の国から」って嫌いな人はいるよね。


で、話は変わるのだが、ゆさみんは昔は倉本聰氏の作品はあまり好きではなかった。悲劇が登場人物たちに立ちはだかって、それに翻弄されるっていうか、失業したり、逃げ出したり、悔しがったりして、人生って哀しいものだねえ、って感じの作品が多かったから。

それよりは、山田太一氏の「ふぞろいの林檎たち」みたく、酷い状況におかれながらも悩みながら立ち向かっていく登場人物たちを応援しながら見るというドラマが好きだった。

ただ、歳を取ってくると、考えも変わってきて、「どうしようもない運命ってあるよね。哀しいねえ」というのを受け入れるようになってきた。

よって、今ではけっこう「北の国から」もいいなあ、って思えるんだよねえ。

で、久しぶりにみた「冬の華」

前に見た時(たぶん30年くらい前だけど)は、「おセンチなヤクザ映画やねえ」という感じで見ていたけれど「なかなか良いねえ」と思えたよ。

ただ、これは今までのヤクザ映画があってから、光る映画であるとは思う。


うーん。
何というかアニメ「うる星やつら」の「君去りし後」みたいに、ふだんドタバタをやっている中にじーんとくる話をもってくると、印象深く映って「名作」ってなるような感じかな(←たぶん、分かる人しか分からない例えだ)

それに何と言っても・・・・
池上季実子、セーラー服姿がいいねえ(←おいおい)
【791】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2015年09月13日 14時36分)

リーマン騎士丈さん、どうもです。

>家族
>特に子供たちの前で
>ウルフオブウオールストリートの視聴は危険です

よく分かりました(笑)
いやあ、大変でしたなあ。
私も、家族で見ている時はそういうシーンがあるとすぐに画面を変えます。
で、そういう映画は別室にてじっくりと観ます(爆)

さて、マッドマックスですが、

>ウォーボーイズ太鼓班!www
>もう しびれました
>あの 無駄の極致(だけど必需!)

美術監督のギブソンは言っています。

どんな軍隊にも鼓笛隊がついている。爆音をたてて砂漠を突っ走る暴走軍団は、派手な銃声を響かせているだけでなく、鋼鉄製シャーシの上では武器や道具がはねてガンガン音を立てている。コーマ・ドーフ・ウォリアーは目が見えない。しかし、戦争のテーマを演奏する。メトロ・ノームを思わせるビートを刻み、音楽でウォー・ボーイズの行動をまとめあげる。V8エンジンの咆吼の中ではほとんど何も聞こえないので、ドラム・ワゴンには巨大なPAとスピーカーシステムが搭載されている。

そして、映画では全然触れられていないけれど、コーマ・ドーフ・ウォリアーにはきちんと、なぜ盲目になったか、イモータン・ジョーの配下になってそうなったかというのは裏設定があります。コーマ・ドーフ・ウォリアーの母親はミュージシャンで、彼はかつては幸せな生活を送っていたのだが襲われ拉致されて・・・というふうに。

他に登場する人もちゃんとキャラクター設定が、あるいはコスチューム設定などが綿密に考えられています。

例えば、イモータン・ジョーの妻の部屋に入った時にそこにいた全身入れ墨だらけの老女のミス・ギディ。彼女は、5人の妻たちの生きた教科書であり、家庭教師である。彼女の入れ墨は世界終末戦争以前に起こった歴史上の人物や事件に関するものである・・・とか。

例えば、老女集団の鉄馬の女たち。
「鉄馬の女たちは基本的に身体を完全に覆う服を着ている。この服の一部を大きく広げれば釣り竿で作った枠に張ることで砂漠を旅する時の日よけにもなる。すべてのものにいくつもの用途があるんだ」(ギブソン)

こういった内容が「メイキング・オブ・マッドマックス」には書かれていて、ファンにはたまらない一冊なのですね。

そういえば、ついにブルーレイ(DVD)が来月発売されますねえ。私も早速3D版を予約注文しました。
【790】

RE:映画について語ろう  評価

リーマン騎士丈 (2015年09月11日 01時37分)

そうそう

俺的には
ウォーボーイズ太鼓班!www
もう しびれました

あの 無駄の極致(だけど必需!)
そのための超違法改造鼓笛隊マシン
燃えるーーー
スーパースピーカーシステム搭載で
(www)
荒廃した大地にあますことなく轟け
爆音重低音

ホントにヒャッハー
拳法なき北斗世界

そして セロンちゃんが最後ガッツ隊長と被る
(byベルセルク)

ああ〜また見てえ



追伸です
(家のパソコンからだとこのハンネですm(__)m)

余計なお世話かもしれませんが

家族
特に子供たちの前で
ウルフオブウオールストリートの視聴は危険です

なんせ
御下劣シーンのオンパレードなんで・・・

俺の体験談です

DVDの返却期限も迫っていることに気付き
夕方18:30ぐらいから
娘2人(JkとJC)の前で視聴開始
(なんせ金融ものだと思ってたんでw)

んまあ情操教育的にはとてもお勧め出来ない感じの展開が続く中
嫁が帰宅

開口一番
『なんてひどいもの見せてんの!!!
やめてちょうだい!!!』

しかし主人公は言わずと知れたレオ様
『ほ ほら デカプリオが出てんだからそそそういう映画じゃないんだよ』
『た た たまたまだよ たまたま』

しかし その後も酷い展開が次から次へと延々と続きテレビの前に陣取って見ていた俺は
すっかり 後ろを振り返れない状況にwww

それでも 魔力的に面白い展開に途中で止めることもままならず21:00まで完走

スコッセッシン監督とレオ様は鉄板?

男にはたまんない展開で

レオ様の悪乗りとも思える白熱の演技も伴って

一度見始めたら止められるものではありませんよwww
御注進 御注進
【789】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2015年09月09日 22時50分)

リーマン騎士翔さん。
はじめまして。
ようこそいらっしゃいました。

>俺 今年のベストはマッドマックスかなぁ
>と思ってたとこだったんですよ

もちろん、私もであります。

>ここで共感されている人がいるのを知り うれしくなり思わず書き込んでしまいました

はっきり言って、ほとんどはネットからの引用でありますが、あの文を読むとそれ以上のコメントが書けなくなってしまって・・・

>あのバカバカしさと疾走感

何が凄いって、一言じゃ言えないけれど、例えば、ドラム・ワゴンの上でバンジー・ジャンプ用の紐に吊されダブルネックのギターを弾きまくる盲目の「コーマ・ドーフ・ウォリアー」などは、ストーリーとは全く関係無いキャラクターだけど、あの存在感は凄かったよねえ。

>まあ 敢えて苦言を呈すなら
>マックスの存在感がやや希薄で
>単なる出来のいい傭兵に成り下がってしまってたような感がしてしまいました

これはねえ、仕方ないのよ。
セロンちゃんが凄すぎるから(爆)

シャーリーズ・セロンについては、次の画像を堪能して下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=_Gyd1o4WRqM
美しい。そして、凄い。うーん、何度見てもいいなあ。
 
品川監督
「Zアイランド」は見ていないけれど、「サンブンノイチ」は良作だと思いましたよ。
品川監督、注目の監督だと思っています。「Zアイランド」を見るのが楽しみだなあ。

「ウルフ オブ ウォールストリート」
録画しているけれど、これも未見。見るのが楽しみになってきました。
【788】

RE:映画について語ろう  評価

リーマン騎士翔 (2015年09月08日 15時32分)

ゆさみんさん お部屋の皆さん はじめまして

見つけてしまいました ここを!

俺 今年のベストはマッドマックスかなぁ

と思ってたとこだったんですよ

まあ 映画の良し悪しは見ているときの自分の精神状態が多分に影響するとは思いますが

マッドマックスは自分が期待していた通りの出来栄えで もうサイッコーでした

最初から最後まで突っ走ってましたね

ここで共感されている人がいるのを知り うれしくなり思わず書き込んでしまいました
(ロムったのは昨晩 現在仕事中www)

あのバカバカしさと疾走感
ギリギリの刹那での命のやりとりの緊張感がホント堪りませんでした

まあ 敢えて苦言を呈すなら
マックスの存在感がやや希薄で
単なる出来のいい傭兵に成り下がってしまってたような感がしてしまいました

まあそれも 脇役であるはずのセロンちゃんの役どころと演技力が秀逸だったがゆえですかね?

全然予備知識なしで観て見終わった後に

凄い女優さんだなぁ 隻腕だから出演チャンスに幅がないだろうけど キット彼女は売れるな

と思ってポスター見たら シャーリーズ セロン!

(はずかしい〜〜〜w)


俺 映画好きではありますが 年間15〜20本ぐらいでしょうか 正直詳しくはありませんwww

ちなみに
まったくレベルはさがりますが
ゾンビ好きの俺としては 品川監督のZアイランドも

この人 映画のとり方わかってるな〜
な感じで 良かったです

あと
この間 DVDでみた 
ウルフ オブ ウォールストリート

これも サイッコ―でした
金融ものと思って見たら
(この時点で 俺バカ)

とにかく ドラッグ 女 そんで電話商法
ファッ○ ○ァック ファ○ク 何回シーンとしてもセリフとしてもでてきたことか

この映画も最初から最後までだれることなく突っ走ってました

理屈抜きに面白かったです

では 仕事に戻ります

マッドマックス共感できてうれしかったです
【787】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2015年09月06日 15時55分)

こんにちは。

9月に入って、朝夕がだいぶ涼しくなってきました。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

相変わらずに仕事と映画と読書に追われている(?)ゆさみんです。
先日、竿を買いました。
秋の夕方、河口あたりでちょっと釣りを楽しみたいなあ、と思って。
さて、どうかなあ。

レビさん。
マッドマックスは子どもは入場不可です(笑)
バイオレンスシーンがあるので。
制作上、R指定にすると興行収入にかなり痛手になるのですが、制作側が「マッド」なシーンを入れてこそのマッドマックスなのだ、とあえてR指定にしたのですね。
このことに、ほとんどのファンは「制作者えらい」と言っております。
ちなみにMHでは7月に上映が終わっていますよ。
さて、今読んでいる本を読み終えたら、次は「死都日本」を読みます。次回の飲み会までに読了したいなあ。
【786】

RE:映画について語ろう  評価

レビ (2015年08月30日 23時00分)

ゆさみんさん お部屋の皆さん
こんばんわ〜


ゆさみんさん
かみさんの了解をこぎつけました。
来月、飲みに行けるー!(やったね

あんな話やこんな話で盛り上がれます。
(桃色とか、桃色とか、桃色とか)

マッドマックスは子供を連れて見に行きたいですね。
あれっ?
9月初めに終わっちゃうんですかね、まさか・・・ぐはっ



熊楠さん
途中から主人公の黒木さんになりきっていませんでしたか?
私はなりきってました(笑い
もうね、グイグイ引き込まれるんですよ。
(黒木って、宮崎の代表的な姓の一つです。詳しくはゆさみんさんに譲ります)

宮崎の地図も出てくるし。
グーグルアースを見ながら読むと、もっと臨場感があるかもです。
再読の際には、ぜひ。


難しいとは思うけど、映画化してほしいなぁ。
【785】

メイキング・オブ・マッドマックス(1)  評価

ゆさみん (2015年08月30日 15時48分)

「メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド」
原題は「THE ART OF MAD MAX FURY ROAD」
Abbie Bernstein (著),    矢口 誠 (翻訳)   玄光社


※本の紹介です。

以前、コメントしたが、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」はホントに素晴らしかった。
既に公開は終わっているが、見終わった後も衝撃をひきずってしまう映画である。

嵌まってしまった。

嵌まってしまい、主役のトム・ハーディーやニコラス・ホルト、シャーリーズ・セロンの直筆サイン入り写真までネットで購入し、その無駄遣いに対し妻や娘から罵声をあびる日々である(泣き笑い)

ここ数ヶ月WOWOWなどで映画を観まくりであるが、「いい映画だなあ」という映画はいくらかあるものの「ハマル」まで行く映画は無かった。

この映画がどれだけ凄いかというと、一部の映画ファンの間では、多分、カルトム−ビーといっていいくらいの存在になっていると思われるからだ。

例えば、私は公開3日目くらいに観たのであるが、鑑賞後、映画に感激してチラシ(パンフレット)を購入しようとしたら既に売り切れであった。「おいおい、公開まだわずかじゃん」と思ってネットで見ると定価よりかなり高いプレミア価格になっているではないか。

仕方なく映画のメイキング本「THE ART OF MAD MAX FURY ROAD」(玄光社)をアマゾンで予約注文した。無事にこれはゲット出来たのであるが、出版後すぐに売り切れで、これまた定価の倍くらいの中古価格になっていた。

重版されて現在では、定価の値段くらいにはなっているのであるが、公開当初の熱気というかハマりぐあいが推察できるのではないだろうか。

要するに、映画を観た人が「チラシ買おう。メイキング本買おう」で映画配給会社や出版社が意図した発行部数の分を遙かに上回る分まで買っていったのであろう。

いや、私も、その一人なのであるが、アクション好きで車好きなヒトでかつての「マッドマックス」シリーズ好きな人なら「マッドマックス 怒りのデス・ロード」はたまらない映画である。

私も既にこのトピで紹介しているが、私がネットで、一番共感したYaeko Mana氏の感想を、ちょっと長いがここに転載したい。



「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
シリーズ4作目。まさかと思うほどのシリーズ最狂作品。

1979年の『マッドマックス』1作目から、ジョージ・ミラー監督が続けて手がけてきたシリーズ4作目。ここにきて、まさかと思うほどのシリーズ最狂作品が登場した。

水も石油も尽きかけた世界。一匹狼な男マックス(トム・ハーディ)は、資源を手中に収め、カリスマ性を誇るイモータン・ジョー(ヒュー・キース=バーン)に囚われてしまう。しかしジョーの優秀な部下である、女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が突然裏切りを働いた。フュリオサはジョーの若い5人の妻たちと共に脱出し、緑の土地を目指してタンクローラーを走らせる。その車に乗っていたマックスも、否応なく彼女たちに加担する羽目に。だが、ジョーの追手たちは執拗で凶暴だった......。
【784】

メイキング・オブ・マッドマックス(2)  評価

ゆさみん (2015年08月30日 15時47分)

過剰な異形的ビジュアルと、口を開けてボーゼンと見つめるだけになってしまう、圧倒的なカークラッシュ。物語の説明のなさにも驚くが、加速していく映像に、メインの人だけわかりゃいいや!という気分に自然と追い立てられる。大勢の登場人物の相関関係を理解する必要もないし、構成は明瞭な善悪と、簡単な筋書で成り立っている。

イモータン・ジョーの配下には、彼の信者といえる青年たち「ウォー・ボーイズ」がいる。彼らはジョーによって作られた宗教観によって、英雄的な死を望み、苛烈な戦いも厭わない。本作で、おそらく後世まで愛されるであろう「なんてラブリーな日だ!」というセリフを、猛烈な砂塵に車で突っ込みながら、興奮した笑顔で叫ぶニュークス(ニコラス・ホルト)もその一人だ。だが、彼がその後どうなっていくかがとてもドラマティックだし、このニュークスに、繊細な感情の芽生えが起こる瞬間を見届けてほしい。

ウォー・ボーイズは車を運転する以外にも、車両に積まれたとても高いポール(棒)に掴まっている者たちがいたり、バイクでの転倒や、猛スピードで走行中の車から車へ飛び移ったりと、危険なアクションが多い。そのためウォー・ボーイズの役を演じているのは、スタントマンたちそのものである。つまり大量のスタントマンが常時必要であり、だったら主役級以外は吹き替えなしに、スタントマン当人が演じた方が効率の良い状態だったということだ。だから四六時中砂塵が舞い上がるなか、生身の人間が猛スピードの車に掴まって地面スレスレまでのけぞったり、転げ落ちたり、死んでもおかしくないアクションを演じている間に、同時進行で他の場所でクラッシュによる大爆発が起こったりという壮絶な映画になっている。幸いにして撮影中に死者は出なかったとのことだが、本作を見ればそれで終わったなんて奇跡のように思えてしまう。

そして、シャーリーズ・セロンが演じる女戦士フュリオサ。彼女は性奴隷として扱われてきたジョーの妻たちを連れて、自然が残っている土地を目指して旅立つ。もちろん戦士と性奴隷では生きてきた条件が違いすぎて、戦いに際し、フュリオサが他の女全員を守るという強烈な負荷がかかる。それをマックスが自然と補助する関係になっていく。愛や友情じゃなく、戦士としてその場を生き抜くために、二人は共闘することになる。一匹狼のマックスにしてみれば、権力を愛するジョーより、それに反発するフュリオサに共鳴し、手を貸すのも当然の成り行きだろう。

この映画は、後半で見事な転調を見せる。手負いになってからのフュリオサが、徐々に体から生命が薄れていくさまを見せた、シャーリーズ・セロンの鬼気迫る素晴らしさ。いまにも絶えそうな命の炎を、意志の力で必死に保ちながら、息がある限り他の女たちを守り続けようとする、肉体が虚ろになりかけて逆に心が現れるまなざし。フュリオサが涙の滲む目でマックスと見交わし、緑の土地へ行けない嘆きと同時に後を託すと訴えるような、無言ながら悲愴なあの目が、今もまぶたに焼き付いて離れない。

砂漠が陣地の、熟女から老女のアマゾネス集団で結成されている、原住民ファッションの「鉄馬の女たち」も、この映画を女のアクションとして補完する。老女がライフルをぶっ放す姿は、昔から映画でカッコイイものとして度々描かれてきたが、本作ではより踏み込んだ男女の平等さに進む。それは、か弱いと思われてきた者がそれをかなぐり捨てるとき、命をみずから危険に晒す覚悟を決めるということだ。そしてウォー・ボーイズは彼ら自身が「英雄の仲間入りをしたい」という欲望で特攻するが、マックスやフュリオサ、「鉄馬の女たち」は違う。彼らが自分の倫理や生き抜くことの大事さを知りながら、「誰かのために命を賭ける」意志は、見る者にもその命の重みを強烈に訴えかけてくる。
【783】

メイキング・オブ・マッドマックス(3)  評価

ゆさみん (2015年08月30日 15時57分)

この映画は2時間、砂漠で強烈なカーアクションのスペクタクルが続く。車が大破し、猛スピードの車から人が転がり落ちて一瞬にして見えなくなる。爆音と炎とスピードの強烈な刺激で、頭は途中から完全に麻痺状態になる。なのに、凄まじい映像を呆気にとられて見ている最中に、突然「誰かの志に同調して、みずからの命を賭して戦う」物語が現れる。人の命の重みに違いはないはずなのに、初めて見る異様なカークラッシュの光景で痺れた脳に、この犠牲的精神が車以上の猛スピードで抉るように刺さってくるから、不意を突かれるのだ。

そのために、こんな過激で目に鮮やかな映画を見ながら泣いてしまった。全編を彩る過激なアクションの面白さからもっとも遠い、死を悼む気持ちに囚われて。それも、誰かの死の描写に立ち会い涙をこぼしている間に、加速する映画はまた次の尊い死を迎え、猛スピードでそこからも走り去る。もう、泣き止む間がなくて本当に困った。

改造車もすべてかっこいい。本編中では名前が呼ばれないこの車たちにも、すべてスペシャルな正式名が付けられている。他にも、赤い衣装でギターから火炎放射しているドゥーフ・ウォリアーをはじめとする、ゴージャスな悪役たち。本編中では名前を呼ばれないキャラや車が多いので、それらを確認するため、あとから資料を読み漁るのも楽しい。おまけに、これまでの「マッドマックス」シリーズ以上に情動もかき乱される。とにかくこの数年で出会った中でも、もっとも熱狂せずにいられない映画なのだ。だから映画を見ているあいだ中、痛切なほど思わずにいられなかった。「わたしもフューリーロードで死にたい!」


いかがであろう。
多分、私の文章より、この映画の凄さが分かるのでないか。

でも、それでも観ていない人には、この熱狂ぶりはわかりにくいと思う。

とにかく見なさい。見ないとこの映画の凄さは絶対に分からないから。

私は、知人に猛アピールして勧めまくっているのであるが、いまひとつ伝わらない。そりゃそうだ、どこがいいとかはストレートになかなか言えないのである。結局は見てもらうしかないという結論に落ち着くのである。ああ、もどかしい。

で、この本の紹介にもどるのであるが、この映画の凄さがこの本を読む事によりよく分かるのである。

たとえば、この映画の作り方が他の映画とは違うのである。
普通の映画は、脚本があって、それをもとにコンテを切って、演出する流れである。
ところが、この映画ではまずヴィジュアルが優先され、映画のストーリーボードやコンセプト・アートが脚本と同時執筆で進行されている。ストーリーボードやコンセプト・アートを何枚も書いて、スタッフがディスカッションを重ね、脚本が作られていたという。

とまあ、あっさりこう書いているが、この映画には10年以上の製作期間があるわけで、その準備やるやハンパではない。ストーリーは単純であるが、そこに生きる登場人物や車や設定は練りに練られている。

「THE ART OF MAD MAX FURY ROAD」はそんな制作者たちの愛と情熱が詳しく描かれている。監督や製作に関係する人々の思いがぎっしり詰まったメイキング本の究極ともいえる本である。
映画を観たら、ぜひ手に入る今のうちに買いましょう(笑)

※今、アマゾンでカスタマーレビューを確認した。当然ながら平均☆5つの評価である。アマゾンで☆5つってあんまりないぜ。
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