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【912】

レッド・タートル ある島の物語(1)  評価

ゆさみん (2016年10月09日 10時39分)

レッド・タートル ある島の物語(2016年)The Red Turtle
監督・原作・脚本 マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
製作 鈴木敏夫ほか

60点。

ジブリの最新作。構想10年、制作8年。
「君の名は。」と比べ、あまりの客入りの悪さに逆に観てみようと思った。
ボロクソなコメントがある一方で、高い評価もある。いったいどんな映画なんだ?
全編を通し、叫んだり泣いたりの声はあっても、セリフ自体に意味のある言葉は一切無いという。

私が観た回の観客は他に二人だけ。
前評判通りの客入りである。

以下、ネットの文章から。
第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、5分間を超えるスタンディングオベーションを巻き起こし、さらに特別賞を受賞した。
舞台となるのは、荒れ狂う嵐のなか遭難した男が辿り着いた無人島。彼は島からの出ようとを何度も試みますが、なぜか見えない力で島に引き戻されてしまいます。しかし、絶望的な状況に陥った彼の前に、一人の女が現れて…。

まず、セリフなしということで眠たくなる作品か、というとそうではなかった。
81分、見入ってしまった。
作品の中に引き込まれてしまった。
しかし、面白い映画か、というと、そうではない。

この作品は日本のアニメを見慣れた人からみると、とても違和感があるだろう。
・全編が暗いトーンの色で構成されており、明るい空の青、水の色、森のあざやかな緑色といった画面作りはしていない。
・キャラクターデザインが日本的ではない。(外国人が作ったので当然かといえば当然である)キャラにファンがつくとかフィギュアが売れるとかみたいな要素は一切無い。
・話は単純であるが、映画から何を感じるのかは観た人が様々な受け取り方ができるような作り方がなされており、ある意味では深い、とも言えるが、ある意味では何が言いたいのかわからん、という声もあるだろう。

又吉君とかは、良い映画だったとコメントをしてるね。
http://red-turtle.jp/campaign/index.html

人生の意味、自然と人間との関係・・・様々な見方やメッセージをこの映画から読み取る(受け取る)人もいるだろう。

・・・・で。
私は、よう分からんという見方なので60点である。作品の中に引き込まれてしまうものは持っている。しかし面白さも感じない。

観る人を選ぶ映画って、私はあまりダメなんだわ。
ただ、深い映画というのは分かる気がする。深さは感じる。
そりゃあね、構想10年、制作8年の月日をかけたんだもの。
「カンヌ」で5分間を超えるスタンディングオベーション・・・・まあ、分かる人にはそうなんだろうね。

ううむ、分からん。(笑)

よく、この映画を全国規模で公開したなあ。
たぶん、この映画、コケるであろうが、いつか、この映画がジワジワ評価されて「私は、レッドタートルを劇場公開の時に見たんだぜえ」と自慢できる日がくるのであろうか(笑)。
その時は、「いやあ、あの映画素晴らしかったなあ。リアルな劇場体験をしていない人は残念だねえ」などと言ったりして(爆)
【911】

レッド・タートル ある島の物語(2)  評価

ゆさみん (2016年10月09日 10時42分)

さて、レッド・タートルの大爆死の理由に、宣伝不足があることは否めない。
テレビでの予告もそんなにしていないし、映画館での予告も「観に行きたい」とそそるような予告ではなかった。
映画が芸術的なタイプのようなものであるからして、有効な宣伝をしないことには客が入らないのは明らかだろう。
素人の私でも以下のようなアオリ予告など考えるのだが・・・

・テロップ「2016年カンヌ映画祭 特別賞受賞」
・ワ〜っと上映終了後に総立ちとなるようすを流す。
・テロップ「世界が賞賛 鳴り止まない拍手」「5分間を超すスタンディングオベーション」
・観た人のコメントを流す。
・テロップ「構想10年 製作8年」「ジブリ 新たなる挑戦」
・タイトル「レッドタートル ある島の物語」映画のシーンのカット。
・テロップ「全編 セリフ無し」映画のシーンのカット。
・又吉氏のコメント。映画のシーンのカット。
・宮崎駿のコメント(素晴らしい映画であること、日本のアニメの影響を受けていない作品であることなど)
・映画のシーンのカット。
・テロップ「2016年 9月」「あなたは新しいアニメの目撃者となる」

こんなもんでどうでしょうか?(笑)


それと、誰か、映画のいくつかのシーンにこめられた意味を解説してくれる人がいたら、お願いします。いや、皮肉じゃなくてマジですよ。

たとえば以下のような疑問。
1 男がイカダで島から出て行こうとした時に、それを阻む存在の意味。(男はカメと思うのだが実際に映画では明示されていない)そして、阻む理由は何か?
2 男はカメを叩きひっくり返し、見殺しにしようとする。そのカメが女性になり、男といっしょに暮らすことになる。どういう意味合いがあるのか?
3 男と女との間に子どもが出来、子どもは成長し、島を出て行く。男が出て行く際は、阻まれたのだが、子どもはそのまま出て行った。このことは何を意味するのか?
4 津波の意味は?
5 島で発見するガラス製(?)のビンが意味深なアイテムとして登場する。この意味は?
6 男は年老い、島で死ぬ。それを看取った女は再びカメにもどり、島から海に泳ぎ出す。この意味は?

たとえば、1の疑問であるが、私が最初に思ったのは、島の外に行こうとしても激しい海流とかあってしょぼいイカダでは無理であるので、男を救うためにあえてイカダを壊し島に戻したというものである。
しかし、その後のストーリーをおっていくと、そう単純なことでもないみたい。
この場面を人生に例えるなら、「チャレンジ精神も大事だけど、自分相応の生き方をすることも大切なのだ」(言葉に置き換えると陳腐になるなあ)なんて意味もあるのかなあ?
その他、人が生きていくことについての示唆を与えてくれるような解釈がこの映画に込められているとも言えるのかな?

まあ、そんな映画なので1回見ただけでは分からず、何回も見てスルメのように味わうような映画であるということなのであろう。
ビデオになって改めて見直して見たい気もしますね。
【910】

かけがえのない人  評価

ゆさみん (2016年09月27日 23時35分)

かけがえのない人(2015年)
監督 マイケル・ホフマン
原作 ニコラス・スパークス
脚本 ウィル・フェッターズ
     マイケル・ホフマン
キャスト ミシェル・モナハン
         ジェームズ・マースデン

7〜9月に見たWOWOW放送の洋画で一番良かった。
タイトルの「かけがえのない人」とは愛する人のこと。
要するに恋愛映画である。

ルイジアナ沖の石油採掘現場で働き、一通り仕事を終え星空を眺めるドーソン。同じころ、別の場所では息子と進学について話ながら星空を眺めるアマンダの姿があった。
ドーソンは仕事で受け取った給料の一部をいつものように誰かに送っていたところ、突然事件に巻き込まれる。採掘現場の石油が爆発し、多くの従業員が命を落とす。爆風によって海に投げ出されたドーソンは4時間もの間、海中にいたが奇跡的に助かるのであった。爆風の衝撃で意識が朦朧としている中、ドーソンの頭には20年前に恋をしていたアマンダの姿が映し出される。過去のとある事件がきっかけで運命や奇跡を信じれなくなったドーソンであったが、奇跡的に助かったことや薄れる意識の中でアマンダに出会ったことなどから運命について、もう一度自問自答する。(ネットより引用)

この後、主人公のドーソンと恋人アマンダの再会が描かれることになるのだが・・・

主人公のドーソンは、ワルでどうしようもない親と兄の劣悪な家族環境の中にありながら、真面目で素直な青年として育つ。そこに現れる魅力的な女性アマンダ。やがて彼らは恋に落ちる。
「おまえも一緒にワルをやろうぜ」という父親との確執、主人公の環境を理解してくれる仲間、大好きな恋人とのドラマの中で起こる悲劇、引き裂かれながらも相手を思い続ける主人公とその恋人、再会、そして切ないラスト・・・・どこかで聞いたことのあるようなベタなストーリーのようでもあるが、丹念で丁寧に撮影(加工)された映像が美しい。
原作が「きみに読む物語」も書いた ニコラス・スパークス。映画「きみに読む物語」もこのトピで紹介済みであるが、切なくも感動的な映画であった。
ラストに恋人の子供が事故に遭い・・という展開と「ある」仕掛けが用意されているのだが、何となくこの仕掛けはゆさみんは想像できた。想像できたが、あえて「やはりそうなのね」と予定調和を観客も想像できるように作られているようでもある。
なお、この映画のラストは映画で採用されなかった別バージョンもあり、それはネットで見ることができる。ちなみに、ゆさみんは別バージョンの方が好きだなあ。

http://www.cinemacafe.net/article/2016/01/18/37108.html

ともかく「久々に良い恋愛映画を観たなあ」と思わせてくれた作品だった。
好きな人と並んで一緒に観る映画としてオススメの映画である。
【909】

ある精肉店のはなし  評価

ゆさみん (2016年09月18日 13時10分)

※できれば、下の【908】の文章を読んでからお読みください。

ある精肉店のはなし(2013年)
監督 纐纈(はなぶさ)あや

下に「人権啓発映画」について触れたので、1年ほどまえに、「人権」についてのイベントで市民会館にて上映され衝撃と感動を受けた映画を紹介する。

「人権啓発」関連で観た映画で、もっとも印象に残った作品であった。

大阪府で精肉店を営んでいる一家が、牛を飼育して、屠畜場で手作業で解体し、販売する姿を映し出したドキュメンタリー作品である。

これはドラマではない。精肉店の日常を追ったものである。

素晴らしかった。

思想家、武道家である内田樹氏は言う。
『この映画は被差別部落の人々とその生業を正面から扱っているわけだが、不思議なほどに透明で、この種の映画に特有の社会的なメッセージ性がほとんどない。それはたぶん監督が、獣を育てて、殺して、食べるという散文的な作業を淡々と続けている北出精肉店の人々のはるか背後に、数千年という射程をもち、世界のあらゆる集団に拡がる「人類の営み」を感知したからではないか。』

我々は、命を食べて生きている。そのことを忘れてはならない。命を屠る仕事(人々)もとても大切なことなのだ。

この映画でほとんどの人が衝撃を受けるかと思うシーンが牛を屠畜する場面である。
大きなハンマーのようなもので、牛の頭部を打つ。その瞬間、牛は力を失い崩れ落ちる。その後、牛の血を抜く作業や肉を解体するシーンなどが続いていく。
ある意味残酷でもあるシーンであるのだが(監督もこのシーンを入れるかどうかは強い葛藤があったという)残酷さは、不思議と感じない。

監督は言う。

「屠場で生き生きと働いている人たちの姿は、とても素敵だと思いました。悲壮感や暗さはまったくないです。食べるために生きものを絞めることを残酷だと思う人がいるとすれば、それは生きもののいのちが、自分自身の食べるという行為とつながっている実感がないからではないでしょうか。仮に残酷というならば、それは自分自身に返ってくることであると私たちは自覚しなければいけないと思います」

「私の場合は、大きな牛を相手に命がけで働く彼らを目の前にした時、素直に『ありがとうございます!』という思いがこみ上げました。だって、私たちが食べるお肉です。本来ならば自分ですべきことを、ずっとやって下さっていた方たちがいたんだ……と感じたんです」

とても素晴らしい映画である。近所で上映の機会があったらぜひ見ていただきたい映画である。
【908】

映画「あん」 追記  評価

ゆさみん (2016年09月18日 12時46分)

良い映画をコメントする際には、その良さを言葉にして伝えにくいもどかしさを強く感じる。
それは、料理の味を言葉に表しにくいもどかしさに似ている。いくら言葉を尽くしてみても、そのおいしさを食べたことの無い人に伝えることは不可能だからだ。伝えられるのはせいぜいイメージくらいでしかない。本当の味は、食べてもらうしか伝えられないもの。

映画も、良い映画ほど「とにかく良い映画だから観てみてっ!」としか言いようがない。
下に紹介した「あん」も、そういう類いの映画である。

ただ、付け加えると「あん」の文章を書いていた際に、その種のもどかしさとは違うもどかしさが生じて困った。

それは、「あん」がハンセン病の差別と関係していることからきている。
どうしても差別に関することに触れざるを得なくなってくるからだ。

「人権啓発映画」というジャンルがある。
テレビで公共団体等がスポンサーとなって放送されたり、公的機関や教育関係の場所で上映されるタイプの映画だ。「差別をなくそう」という目的をもっている作品だから、そこで示されるシーンは差別について直接的な表現が入っており、強いメッセージ性をもつことになる。そして、そのタイプの映画は強いメッセージ性をもつがゆえに、ある種の押しつけがましさが否めない部分がある。
(だからといってゆさみんは「人権啓発映画」を否定するものではないことは、付け加えておく。そういったジャンルもとても大切であるとは思う)

「あん」について語った際に、作品を観ていないで私の文章を読んだ人が「人権啓発映画」的な押しつけがましさを感じてしまうのではないか、と思ってしまったのである。

そうではない。

「あん」には確かにある種の差別は描かれるが、根底にあるのは(これまた表現しにくいのだが)「生きることの大切さ」とでも表されるものである。
そこを改めて強調しておきたい。
【907】

あん  評価

ゆさみん (2016年09月10日 09時19分)

私は、WOWOW等の視聴を通して、毎日のように映画を観ている。
7〜8月には60本くらいは観ているであろうか。
その中で、私が一番と思った邦画を紹介する。

あん(2015年)
監督と脚本 河瀬直美
原作    ドリアン助川 
出演者   樹木希林
      永瀬正敏
      内田伽羅 
主題歌   秦基博「水彩の月」

あらすじ
春ともなれば桜の咲き乱れる公園に面したどら焼き屋で、辛い過去を背負う千太郎は雇われ店長を続け、日々どら焼きを焼いていた。ある日この店を徳江という手の不自由な老婆が訪れ、バイトに雇ってくれと千太郎に懇願する。彼女をいい加減にあしらい帰らせた千太郎だったが、手渡された手作りのあんを舐めた彼はその味の佳さに驚く。徳江は50年あんを愛情をこめて煮込み続けた女だったのだ。店の常連である中学生ワカナの薦めもあり、千太郎は徳江を雇うことにした。徳江のあんを使ったどら焼きのうまさは評判になり、やがて大勢の客が店に詰めかけるようになる。だが、店のオーナーは徳江がかつてハンセン病であったとの噂を聞きつけ、千太郎に解雇しろと詰め寄る。

差別を扱った映画ということになるのだろうが、人間の弱さ、生きることの意味とか、容易に言葉で表せないことを、伝えてくれる作品だ。

河瀬監督がハンセン病の奄美和光園の療養所をおとずれて感じたという。
「初めてわかりました。病んでいるのは囲いの外です」

また、原作者のドリアン助川氏は言う。

映画化のオファーもあったんだけど、聞こえないものを聞こうとする、見えないものを見ようとする人の物語。そんなものを撮れる人は河瀬直美さんしかいないと思った。2011年に彼女の作品「朱花の月」に出演させてもらったんですが、彼女は自分が書いた物語以外は絶対に撮らないんです。無理だろうなと思いながら手紙を添えて本を送ったら、1カ月後ぐらいに「号泣しました。私でいいんですか」と返事が来た。

うれしかったのは、地中海にある小さな島、マルタの映画祭で作品賞と主演女優賞を取ったこと。まったく違う人種、文化で、審査員の満場一致。観客の熱気が後押ししてくれていた。たぶんマルタの人はどら焼きなんて見たことないだろうけど、人の命とは何かという普遍的なところで、河瀬さんの作品が伝わっている。

本当に素晴らしい作品であった。
いろいろと言いたいことはあるのだが、言葉では本当に伝えられそうにもない。
ぜひぜひ、見ていただきたい映画である。
【906】

君の名は。  評価

ゆさみん (2016年09月04日 22時23分)

君の名は。your name. (2016年)
監督・脚本 新海誠 
声の出演 神木隆之介
     上白石萌音
     長澤まさみ
     市原悦子 
音楽   RADWIMPS

ストーリー
1200年ぶりという彗星の接近が1か月後に迫ったある日、山奥の湖を囲む糸守町に暮らす女子高生の三葉は、自分が東京の男子高校生になった夢を見る。日頃から東京に憧れを抱いていた三葉は、夢の中で念願だった東京を満喫する。一方、東京で暮らす男子高校生の瀧も、行ったこともない山奥の町で自分が女子高生になっている奇妙な夢を見ていた。
繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている記憶と時間。何度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止めてゆく瀧と三葉。残されたお互いのメモを通じ、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら状況を乗り切っていく。

というわけで、「君の名は。」である。

90点。

あまり映画を観ても感情を表に表さない息子(19歳)が、べた褒めしていたし、新海作品は全て観ているので、興味をもって鑑賞した。公開初日から凄い大ヒットをしているときいていたが、9月1日の映画の日も超満席であった。

これまでの新海作品の中でもエンタメ性・作品の出来とも1番であろう。
「ポスト宮崎駿」に、細田守氏とともによく挙げられていた新海監督であったが、今までは細田氏のほうが作品のヒットなどもあって新海氏は2番目というイメージをもっていた。
どっちかというと、個性的であるが、独特の映像美と演出で「好きな人は好き」という感じの作品を手がける人って感じがしていた。「秒速2センチメートル」「言の葉の庭」は私もしみじみ「いいなあ」と思う作品なのだが、劇場で大ヒットというタイプの映画では無い。エンタメ性にはやはり欠けるし、監督もあんまりヒットを狙った作品は向いていないのではないか、と思っていた。
「君の名は。」は、そうした私のイメージを見事に良い意味で打ち破ってくれた。
新海監督の個性が十分にちりばめられ、またエンタメ性も加味された長編大作である。

男女が入れ替わるという設定は「転校生」などもあり、アイデアとしては真新しいものではない。そのアイデアを、都会と岐阜県の飛騨市付近の田舎のリアルな日常の描写、新海氏がこれまでの作品でもモチーフとしてきた異なる時間の流れ、彗星の接近、地元の神社・ご神体などの神道的な要素などをうまくからめて、見事に作品に昇華させているのは素晴らしい。
この作品で、「ポスト宮崎駿」としては、細田氏と堂々と肩を並べる存在となったと言えよう。

悪人が一人も出てこないし、ビジュアルは美しいし、切ないラブ・ストーリーでもあるし、恋人といっしょに行く映画としては申し分ない映画である。

この映画を観た人なら、よく分かると思うが、私も見終わった後、RADWIMPSのCDを購入した。(パンフレットは売り切れであり、息子の買ったものを読ませてもらったが)また、ビジュアル本も注文した。う〜ん、映画の余韻に浸りたい。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」以来、映画グッズを欲しいと思った作品であった。

いや、良かった。良い映画を観たなあ。
【905】

新海誠監督作品  評価

ゆさみん (2016年08月28日 22時23分)

「君の名は」
新海誠監督のこの映画。
公開初日に、息子(19歳)が映画を観に行った。

私が絶賛した「ファインディング・ドリー」を観た際も、「ふ〜ん、良い映画だね」としか感想を述べなかった息子が劇場を出たとたんニコニコして
「良い映画だった」
と興奮して、映像がきれいだとか、感動するだとか、誰かにこの胸の内を語りたいといった感じの反応を示していた。
息子がこんな反応をするのは珍しい。
基本的にクールの人なのだ。

というわけで、私も観てみたいな、と思っている。
9月の映画の日に観に行こうかな。
楽しみだなぁ。
【904】

インデペンデンス・デイ:リサージェンス  評価

ゆさみん (2016年08月19日 16時21分)

インデペンデンス・デイ:リサージェンスIndependence Day: Resurgence (2016年)

監督  ローランド・エメリッヒ 
出演者 リアム・ヘムズワース
    ジェフ・ゴールドブラム 

60点といったところかな。

1996年に起こったエイリアンの侵略から約20年、勝利した人類は撃墜したエイリアンの船の残骸から彼らの技術の一部を吸収し、それを元にして人類文明は大幅な進歩を遂げた。

というわけでエイリアンの侵略があったパラレルワールドとしての地球の2016年が舞台。

そこに再びエイリアンが侵略してくるというストーリーである。

まあ、いろいろややこしい部分はあるが、要は強大な敵のエイリアンに人類はいかに立ち向かうのか、というのを楽しむ映画である。

よって、難しい理屈が述べられる部分では、私はウトウトモードに入ってしまった。(おいおい)

戦闘シーンなどは、CGだし、もはや凄くて当たり前といった感じ。
ビル・プルマン演じる大統領が敵にむかって出撃するというパート1の展開ではギョギョギョとなったが、まさかパート2では敵への特○をしかけていくとは・・・
エイリアン2みたいな女王も出現し、女王をやっつければ敵は全滅といったアイデアは古いSF映画みたいだし、途中から女王エイリアンをやっつける展開は怪獣映画みたいだし・・・

まあ、面白くないっていうことはないのだけれど、パート1のゴージャスなビックリ要素は無いし、前作の二番煎じ作品を凄く豪華に作った作品という感じである。

パート1のリメイクとして見ると楽しめるかも・・・
【903】

シン・ゴジラ(1)  評価

ゆさみん (2016年08月06日 00時48分)

シン・ゴジラ(2016年)
監督 庵野秀明(総監督)
   樋口真嗣(監督・特技監督)
脚本 庵野秀明
出演者 長谷川博己
    竹野内豊
    石原さとみ
音楽 鷺巣詩郎
   伊福部昭

70点(※怪獣映画として見るなら)

「いやー、面白かった」
映画終了後、私の席の隣で見ていた青年の第一声である。
ネット上では、様々な見方があるものの、おおむね絶賛に近い評価が多いようである。

しかるに私の点数は「70点」といったところである。

ストーリー。
東京湾上に巨大生物が現れ、東京に上陸し街を破壊する。
破壊を阻止しようと対策チームが動き出し、何とかしようとする。

以上(笑)

庵野秀明監督の作品がらみで説明すると、
「巨神兵東京にあらわる」が「巨大生物(ゴジラ)東京にあらわる」になって・・・
ゴジラは「エヴァ」の「使徒」みたいに、兵器では全然役に立たず・・・
で、ゴジラに太刀打ちできるようなエヴァもいないので、ゴジラをやっつけるために矢口(長谷川博己)チームが「ヤシオリ作戦」を考案し、立ち向かう・・・
というような話である。

私としては、
「巨神兵東京にあらわる」+「(平成)ガメラ」(もしくは「劇場版パトレイバー2」)
というイメージである。
巨大生物が今の日本に現れたら、政府はどういう対策を取り、自衛隊はどう動くのか。単純なストーリーであるが、取材とシミュレーションを重ねたであろう臨場感はすばらしい。ものすごい出演者の数であり、特撮場面以外はほとんどが会議で占められ、いろんな人物がそれぞれの立場でいろんな意見を言う。(正直言うと、中盤の会議が続く展開に、私は眠気に耐えられずウトウトしてしまったよ)すごい情報量でありながら、それを整理して、作戦が立てられ、ゴジラに対していくまでの脚本・構成がすばらしい。特撮も、ゴジラによって破壊される映像は地面から見たアングル、ゴジラへの攻撃などは俯瞰もしくは空中からのアングルともっとも効果的な角度から撮影され、迫力は申し分ない。
特に、庵野秀明監督のファンならば、独特な構図、カット割り、音楽の使い方(デンデデンデンというエヴァと同じ音楽もあったし)など、庵野印を多く指摘する人も多いだろう。

というわけで、映画としては面白い映画であると思う。


が・・・・

良くも悪くも、これは庵野秀明監督の「ゴジラ」であって・・・
怪獣映画の「ゴジラ」とは違うんだよ・・・

そう思うのだ。
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