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【882】

言ってはいけない 残酷すぎる真実1  評価

ゆさみん (2016年05月15日 21時21分)

※本の紹介です。

「言ってはいけない 残酷すぎる真実」橘 玲・著 (新潮新書)

新潮社の雑誌「波」を定期購読している。
ちなみに大手出版社は、PR的な自社の読書案内雑誌を毎月刊行している。
新潮社は「波」集英社は「青春と読書」岩波書店は「図書」講談社は「IN★POCKET」などなど。
一冊100円前後で新刊本のPRに作家のインタビューや対談なども載っており、お買い得である。ちょっと前まではそれらの本全てを購読していたが、現在は「波」のみ購読している。(安いけど、全部に目を通すのがつらくなったのです。読書に興味のある方は、1年間1000円ちょっとで毎月送料無料で配達してくれるのでオススメですよ)

で、この本に昨年度連載していたのをまとめたものがこの本である。
連載当時、大変に興味深く、届いたら真っ先に読んでいた連載であった。

よくここまで書けるな、と感心しながら、かつ知的興奮を覚えながら読んだ本である。
私をはじめ、けっこうこの連載を楽しみにしていた人も多かったようである。

で、発売されて文庫・新書部門のベストセラーでいきなり2位に躍り出た。

人権問題に関わる人からはおおむね不評であるようだ。(理由は読めば分かる)
が、データや実例が示すこの事実は知っておくべきであろうと思う。

「あとがき」の文章が氏のHPにアップされていた。ここに転載したい。

************************************************************************
まずは悪い話から。

脳は左右対称の臓器で、右半球と左半球があり、それを脳梁がつないでいる。右脳は感情を、左脳は言語や論理を主に司る。

きわめて特殊なケースだが、重度のてんかんの治療のため、外科手術でこの脳梁を切断することがある。これが分離脳で、右脳と左脳がそれぞれ独立に活動する。

分離脳患者は、左半分の視野で見たものがわからない。言語中枢は左脳にしかないが、左視野の情報は右脳に送られるだけで(視神経は左右で交差している)、それを脳梁を経由して左脳に転送できないのだ。両手からの入力も同じで、右手で触れたものはそれがなにかわかるが、左手で触れたものの名前をいうことができない。右脳に入力された情報はどこかに消えてしまうのだ。

だが、脳の驚くべき能力はここからだ。

分離脳患者を目隠しした状態で、テーブルの上に並べられたスプーン、鉛筆、カギなどを左手で触わらせると、感触はあるものの、その情報は左脳には届かないのだから、それがなにかはわからない。次に左の視野に「スプーン」「鉛筆」「カギ」などの単語を見せると、これも同様に、患者は自分がなにを見ているか気づかない。

ところがこのふたつを同時に行ない、正しいと思う組み合わせを訊くと、手探りで正解を選ぶことができた。右脳は見えていない単語と名前のわからない感触を正確に一致させ、そのうえ患者は自分がなにをしたのかまったく意識していなかったのだ。

次の実験では、分離脳患者の左視野に「笑え」と書いたボードを置いてみた。

質問の意味を理解し、言葉によって回答するのは左脳の役割だ。脳梁が切断されている患者は、右脳に入力された「笑え」という指示を意識することができない。ところが、ボードの指示を見た患者は笑い出した。そこでなぜ笑ったのか訊いてみると、患者は「先生の顔が面白かったから」とこたえた。

分離脳患者は、右脳と左脳でふたつの「人格」を持っている。そして左脳は、脳のなかの見知らぬ他人(右脳)がやっていることを意識できない。

矛盾する認知に直面した状態を「認知的不協和」という。このケースでは、「笑った」という認知と、「笑う理由はない」という認知が矛盾している。これはきわめて気味の悪い出来事なので、意識は(脳のなかにふたつの人格があるという)不愉快な真実を嫌って、「先生が面白い顔をした」という快適なウソをつくりあげたのだ。
【881】

言ってはいけない 残酷すぎる真実(2)  評価

ゆさみん (2016年05月15日 21時18分)

無意識が捏造した気分のいいウソは、「意識」というスクリーンに映し出される。――意識は無意識が生み出す幻想なのだ。

もっとも効果的に相手をダマす方法は、自分もそのウソを信じることだ。カルト宗教の教祖が信者を惹きつけるのは、自らが真っ先に「洗脳」されているからだ。社会的な動物であるヒトは上手にウソをつくために知性を極端に発達させ、ついには高度な自己欺瞞の能力を身につけた。

これが「現代の進化論」の標準的な説明だが、もしこれが正しいとしたら、暴力や戦争をなくすために理性や啓蒙に頼ったところでなんの意味もない。自己欺瞞は無意識のはたらきだから意識によって矯正することはできず、他人が欺瞞を指摘すればするほどかたくなになっていく。これが、教育によってIS(イスラム国)のテロリストを更生できない理由だろう。

自己欺瞞がやっかいなのは、知性の高いひとほどこの罠から逃れられなくなることだ。なぜなら、その恵まれた能力を駆使して、現実を否定し自分をダマすより巧妙なウソを(無意識のうちに)つくりあげるから。ヒトラーやスターリン、レーニンや毛沢東など、現代史にとてつもない災厄をもらたしたのはみなきわめて「賢い」ひとたちだった。

では次によい話を。

治安の悪化が問題になっているが、刑法犯の件数が戦後最少になった(2015年)ことからもわかるように、日本社会はどんどん安全になっている。多くのひとが懐かしむ「三丁目の夕日」の昭和30年代は人口あたりの殺人件数は現在の2〜3倍で、残虐な少年犯罪も多かった。「常識」とは逆に、近年は若者の犯罪の減少が顕著で、世代別でもっとも犯罪者が増えているのは高齢者だ。

じつはこれは世界的な傾向で、治安の悪化が叫ばれる先進国はどこも犯罪が大きく減っている。ISによるテロが大問題になるのは、その残虐さももちろんだが、それ以外の危険がなくなったからでもある。

現代史を振り返れば、2度の世界大戦やロシア革命、文化大革命、ポルポトの大虐殺、旧ユーゴスラヴィア内戦などの凄惨な出来事がつづいた20世紀に比べて、冷戦終焉後は国家による大量殺人が大幅に減ったことは明らかだ。アフリカや中東に問題が集中するのは、それ以外の場所(アジアや中南米)で戦争や革命、暴力的クーデターが起きなくなったからでもある。

このことは、理性がまったく役に立たないわけでないことを示している。意識の本質が自己欺瞞だとしても、人類は幾多の悲惨な経験を通して、それを平和と繁栄になんとか役立ててきたのだ。

だとしたら、未来をいたずらに悲観することはない。共産主義者が夢見たようなユートピアは実現しないだろうが、そこそこゆたかでそこそこ暮らしやすい世の中ならじゅうぶん期待できるのだ。

そのためにも、私たちの認知=知性が進化のちからによってどのように偏向しているのかをちゃんと知っておく必要がある。現代の進化論が突きつける不愉快な真実は、歪んだ理性を暴走させないための安全装置なのだ。

2015年1月7日、フランスの風刺雑誌シャルリー・エブドの編集部がイスラーム過激派の武装集団に襲撃され、編集スタッフや警官など12名が犠牲になった。この事件を受けて、日本を代表するリベラルな新聞社は、「テロは言語道断だが下品な風刺画を載せた方も問題だ」として、「ひとが嫌がるようなことをする表現の自由はない」と宣言した。

本書の企画を思いついたのは、この驚くべき主張を目にしたからだ。誰も不快にしない表現の自由なら北朝鮮にだってあるだろう。憲法に表現の自由が定められているのは、ひとが嫌がる言論を弾圧しようとした過去の反省によるものだと思っていたのだが、“リベラル”を自称するひとたちの考えはちがうらしい。

ちなみに私は、不愉快なものにこそ語るべき価値があると考えている。きれいごとをいうひとは、いくらでもいるのだから。
【880】

RE:映画について語ろう  評価

レビ@ (2016年05月11日 06時44分)

ゆさみんさん おはようございます


あまり無事じゃないけど、出張先にたどりつけましたw

6月半ばまでは、出張になると思われるので、
もう一回くらい呑みたいですね(^^
あの楽しさを思い出しながら、高速をつっ走るのじゃ−。


さて。

 >DVDプレーヤーではなく、ブルーレイプレイヤー

ほほぉ・・・ (--; 
わたしゃー、何を買おうとしていたのやら。 orz
レコーダーのご教示、ありがとうです。


  >HDMIケーブル

よく見かける赤とか白とかのソケットはありました。
今度、アパートに帰ったら、よく見てみます。


つなげることができるのなら、プレーヤーだけ。
だめならTVごと買い替えましょうかね、この際。
映画好きのかみさんのリアクションが楽しみです。(笑




ところで、神々の山嶺ですが、映画になっていたんですね。


私は、原作を読んではいませんが、谷口ジローさんのコミックスを持っています。

最近は機会が減りましたが、私も山に登ります。
登山ではないので名前も道もない山ばかりです。
生きがいとか、好き嫌いではなく、仕事で。
だから自分のモチベーションとの違いに大いに興味がかきたてられます。

目的とモチベーションが違っても、得られる
感動、爽快感、充実感、達成感は、
言葉で表わせないほどに素晴らしいものがあります。
ああ、それに疲労と体の痛みもですね。
生きてることを実感しますよ。(^^;



 >どうしてこの映画を選んだんじゃい?

これはぜひとも奥さんに尋ねてほしいですね。

逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ・・・ (爆


では。
【879】

エヴェレスト 神々の山嶺  評価

ゆさみん (2016年05月08日 19時41分)

エヴェレスト 神々の山嶺(2016年)
監督 平山秀幸 
脚本 加藤正人 
原作 夢枕獏「神々の山嶺」 
出演者 岡田准一
    阿部寛
    尾野真千子 
音楽 加古隆 
主題歌 イル・ディーヴォ「喜びのシンフォニー」

GWに旅行の予定はないので「せめて映画でも観に行こう」ということになり、5月1日の映画の日に妻と私で「エヴェレスト 神々の山嶺」を、息子と娘は『ズートピア / Zootopia』を観た。
エヴェレストを観ようとなったのは、妻の意見。私は妻と二人で映画を観に行く時は、常に妻の意見を優先するのだ。

ただ、夢枕獏ファンなので原作本は出版と同時に読んでいる。あまりにも小説が素晴らしかったので、小説を越える感動は無理かなあ、と思っていたのであるが・・・

妻の見終わった感想は
「阿部ちゃんの死体の顔が凄かった」・・・とな。

う〜む。
妻は、アウトドアにはあまり関心が無い人である。いくらかの花粉アレルギーがあり虫がブンブンいる空間はダメ、よって山を歩いたりするのも嫌い、海も嫌い、スキーも嫌いという人である。よって、この映画に出てくる山に魅せられた人の思考は到底理解できないわけである。山に登るのはどこが楽しいの?というわけである。命がけで山に登る人の気持ちはちっとも分からない、と。

だったら、どうしてこの映画を選んだんじゃい?
とツッコミを入れたくなるのであるが、こあいから言わない。

ただ、この映画では、主人公らの帰りを待つ女性・岸涼子(尾野真千子)の描写が小説より濃く書かれていて、この女性の立場で観た部分もあるだろう、とは思う。

私はといえば・・・小説のストーリーをほぼ忘れていた(おいおい)
よく考えれば原作本が出されたのが1997年。出版されてすぐに買って読んだから19年経っている。感動した記憶だけが残り、細かいストーリーは忘れている。
映画を観ながら、「ああ、こういう話だったなあ」と思ったことであった。

だから、小説とどこそこが違う、とかの部分はほぼ分からない。そういう意味ではある程度、映画として観られた部分はあるだろう。

面白かった。

エヴェレストの自然の映像美、岡田・阿部の山男としての時に鬼気迫る演技、変に感動を押しつけようというような嫌らしさも無い。ラストの阿部の死のシーン、阿部の生き方を受け継ぐように歩き続ける岡田のシーン、最後にそそり立つエヴェレストの偉容。第九のにのって歌うイル・ディーボの音楽。

いいなあ。

ほぼ公開も終わりかけで、GW後には公開終了となるだろう。
エヴェレストの自然の凄さは大画面で観て実感できる。その意味でDVD等のテレビでは映画の魅力が半減すると思われる。
阿部寛、岡田准一ファンはもちろん、山が好きなヒトは映画館で是非観られたい。
【878】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2016年05月08日 19時37分)

レビさん。

こないだは、美味しい料理と美味しいお酒、おいしい話題にカラオケにと、楽しい時間を過ごせました。

ど〜もです。

せっかくプレゼントした「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が観られないとは残念。

パソコンではブルーレイ対応になってくると外付けで1万円くらいかかるので、ブルーレイプレイヤーのほうが良いカモですねえ。

それと、DVDプレーヤーではなく、ブルーレイプレイヤーですからね。お間違えの無いように(笑)

プレイヤーだけなら、1万円前後(韓国製とか)であると思います。電器店よりはディスカウントストアのほうが安くで売っているかも。

ブルーレイレコーダー(テレビ番組などを録画する)なら、ギガ数によりますが、250GBくらいなら3万円ちょいくらいであると思います。

あと、テレビの入力はHDMIケーブルに対応していますよね?
今、ほとんどの録画機器はHDMIケーブル対応なので、古いテレビ(例えば、赤白黄のピンコード入力)ではつなげないこともあるので、そこも確認してくださいませ。

では(笑)
【877】

RE:映画について語ろう  評価

レビ (2016年05月08日 01時04分)

ゆさみんさん こんばんわ


久しぶりの食事、酒、唄。
楽しいひと時を過ごせました。
全くといっていいほど映画の話題を肴にできない自分が残念で・・・(^^;


DVD。
ありがとうございました。
今日あたりゆっくり見て感想を。

何という甘さ。(--;


ブルーレイを見るためのソフトがPCにインストールされておりませんでした。
もちろん・・・アパートにあるTVでも見ることができないので、
PCより画面が大きなTVでのDVDプレイヤーの購入を考えています。


お勧めがあったら、ぜひ教えてください。m(_ _)m


うちのかみさんのツテを通して展示即売で買います!
【876】

フォクスキャッチャー  評価

ゆさみん (2016年04月30日 09時14分)

フォックスキャッチャー Foxcatcher (2014年)
監督 ベネット・ミラー 
出演者 スティーヴ・カレル
    チャニング・テイタム
    マーク・ラファロ 

どうも後々まで印象に残る映画がある。
私にとって「フォックスキャッチャー」はそんな作品だ。
WOWOWで放送されて初見で見てから、半年近くなるが、ふと思い出したように「フォックスキャッチャー」について思い出す。

実際にあった殺人事件をベースにした人間ドラマを描いた作品だ。
決して後味の良い映画では無い。
切ない映画だ。
しかし、人間の喜び、悲しみ、嫉妬、アイデンティティ、純粋さ、鈍感さ、やるせなさ・・・もろもろの人間の感情を見事に描いていると思う。

1996年に起きたデイヴ・シュルツ殺害事件を題材にしている。
デュポン財閥の御曹司であるジョン・デュポンから自ら率いるレスリングチーム結成プロジェクトである「フォックスキャッチャー」。デュポンは愛国心からアメリカのレスリング協会に寄付をして、チーム・フォックスキャッチャーも結成していた。
当時のレスリング界はレスリングだけでは食っては行けない時代であり、金メダリストでも職が安定するわけでも何でも無い。
そんな中、「フォックスキャッチャー」はレスラーからすれば、羨ましい場所であるといえる。練習環境にも恵まれているし、無料でたくさん部屋のある豪邸にも住めるわけである。
映画は、1984年のロサンゼルスオリンピックのレスリングで金メダルを獲得したマーク・シュルツをデュポンが「フォックスキャッチャー」に来ないか?と誘うところから始まる。
「マーク・シュルツ」という名前を聞いて、聞き覚えがあると思う人は格闘技通だ。
総合格闘技UFCの初期に出場し、ゲーリー・グッドリッジに勝っている。
で、殺されたデイヴ・シュルツはマーク・シュルツの兄で彼もオリンピック金メダリスト。マークより後にフォックスキャッチャーに採用され、コーチをしていた人物である。

なぜ大財閥の御曹司は、オリンピックの金 メダリストを殺したのか?
なぜ自分が率いていたチームのコーチを殺したのか?

マークとデュポンとデイブ。
孤独を抱えた男2人と理想的な家族を築き誰からも慕われるデイブ。
認められたく努力して、それでもなかなか認めて貰えない人間の孤独。
全てを持っているがゆえに、そうでない人間の孤独に気づかない鈍感さ。
そこに悲劇がおとずれることになる。

ただ、この映画は実話をベースにした映画であるが、ノンフィクションではない。
ネットには「映画『フォックスキャッチャー』では描かれなかった11の真実!」というサイトもあり、映画と現実はここが違う、という指摘もある。
たしかに、映画化に際し制作者の論理で、改変された部分はある。
ただ、実際と違うからといってこの映画が駄目だという指摘はおかしい。
映画の評価は、映画そのものにある。
実際の事件は、映画で語っているような理由でデュポンがデイブを殺したわけではないかもしれない。
しかし、この映画は、映画を観る者に言いようもないような人間の悲哀をつきつける。
とくにデュポンを演じるスティーヴ・カレルの演技はすばらしく、殺人にいたる感情を見事に演じている。

私としては、ずっと心に残る映画の1本である。
ぜひ、みなさんに観てほしい映画としておすすめします。
【875】

新宿スワン(2015年)  評価

ゆさみん (2016年04月24日 09時55分)

山田孝之のファンである。

最近の山田孝之は、「信長コンツェルト」の秀吉役等でみせた悪役的キャラを演じることが多い。血も涙も無く、クールに人を痛めつけたり殺したりする役をやらせたら天下一品である。「のぼうの城」「悪の教典」「闇金ウシジマくん」などで見せた演技は印象的だった。
私的にはあまりにこのタイプの演技が上手いため、「MONSTERZ モンスターズ」で違ったタイプのキャラを演じると、逆に新鮮だったりする。
それにしても存在感のある役者になったなあ。

たまにバラエティ番組などに出ると、天然的キャラが出て、役柄とのギャップが面白かったりする。

さて、今回観たのは「新宿スワン」。

「新宿スワン」は昨年(2015年)に公開された作品。監督は園子温。脚本が鈴木おさむ、水島力也。

2000年代初頭の東京都新宿区歌舞伎町を主な舞台とし、スカウトマンを主人公に、その成長と歌舞伎町裏社会を描いた作品。彼が演じるのは、綾野剛演じる主人公タツヒコとライバルのスカウトマン「ヒデヨシ」で、タツヒコを異様にライバル視し、先輩のスカウトマンを押しのけてまで幹部に上がろうとするほど野心的な性格を演じている。元々タツヒコとは学生時代の同級生で、いじめられっ子だったヒデヨシをタツヒコが助けていた。そこで自分より強いタツヒコにコンプレックスを持ち、同じスカウトマンとして強い対抗心を持つようになった、ということが映画が進むにつれ徐々に分かってくる。

まさに山田孝之のハマリ役というべきであり、綾野剛を上回る存在感を放っている。
特に前半は・・・

ところがタツヒコとビルの屋上で直接対決をするクライマックスシーンがガックリであった。

前半で見せたクールでタツヒコを蹴落とそうとする野心家役だったのが、昔いじめられっ子だった過去が対決シーンの中で語られると、いじめられっ子だった過去に精神的に逆戻り。化けの皮が剥がされて、一気にフツーの気弱な人になってしまい、対決にも負け、組織を逃げ、最後には逃げ切れず組織に殺されてしまうのである。
おいおい。
まあ、原作通りっちゃあ、そうなんだけど。せっかくの山田孝之なんだから(笑)ここは最後まで、あのキャラは通して欲しかった。最初の凄みのあるキャラが結局はいじめられっ子だったことが分かって、一気に気弱なキャラになっていく過程が、山田孝之が演じているがゆえに説得力を失くしてしまっている。
過去は過去として、今は野心家としてのし上がってきたんだから、凄みのあるキャラのまま終わって欲しかった。主人公の対決に負けたり組織に負われて殺される筋書きはそのままでいいけれど、主人公との対決や殺され方の演出次第では、凄みを残したまま終わらせることはじゅうぶん可能だったはず。逃げて気弱な表情で殺されるのではなく、ふてぶてしい笑みを浮かべながら殺される。実はタツヒコに憧れ、タツヒコのようになりたかったんだ、と悲哀をにじませながら死んでいく・・・とか。

これは、山田孝之を生かし切れなかった脚本なり監督の演出の弱さだと思う。
園 子温(その しおん)監督。
「地獄でなぜ悪い」などで「どこが面白いの」と思った監督ではあったけれど、この作品でさらにイマイチの監督であると印象を強めたことであった。
【874】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2016年04月16日 00時03分)

熊楠さん。

ご心配いただいて、どうもです。
こちらは震度3くらいでありましたので、どうってことはなかったです。
ただ、その後余震がぐらりぐらりと続いたため、わが娘などは怖がっておりました。

足下が不安定っていうのは、ほんとに嫌なものですね。
私はともかく実害があった方々の復興を願うばかりです。
【873】

RE:映画について語ろう  評価

熊楠 (2016年04月15日 05時15分)

ゆさみんさん

近隣の県で結構大きな地震の様ですが
大丈夫ですか?

通勤の運転も気を付けてくださいね。
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