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【952】

RE:映画について語ろう  評価

みゆりんりん (2017年02月03日 15時19分)

おっこんちゃ〜w

>この作家って「君の膵臓を食べたい」の著者ですよね。

ほだの???
どうりで聞いた(見た)ことある作家名だと思ったよーw

>私も25〜26巻くらいでストップしています。

あはは、そうなんですかw

>いまだにしまってあります(笑)

いつでも読める(ウチにあるから)って気持ちと、長いからそれなりの余裕がある時じゃないとって気持ちとで、浮いてしまってるんでしょうねw

私みたいに『オラオラ、予約殺到の中貸してんだよ。期限は2週間なっ!』って強制だと、読むしかなくなるんですよ(笑)

例の三国志。
1冊がやっぱり重量があるので、結構掛かるんですよ、1冊読み終わるまでに・・・

で、返す本と、読み終えれなかった本を持っていって『あの〜、この本、次の人が居ないようなら、借り直したいんですが』

ラッキーな事に居なかったんですね〜。

で、借り直すのと借り足すのとでw

そしたら、昨日図書館から電話がきた。
『三国志の6巻、次の方が待ってますから、早く返して下さい』

こりゃ〜すんませんってこって。

ん?あの時4冊借りたのに、なんで借り直した6巻だけの話?

言われた時、つい期限を切らしてしまったのかと思って平謝ったけど・・・なんで6巻だけの話?

確認した・・・あと2日あるじゃん!
6巻だけ、都合4週間くらいになるからの催促なのか!

でもさ〜、その前の2週間は当たり前でしょ〜?
次の時にその人は予約してなかったんでしょ〜?

たまたま私が独占した形にはなったけど、しょうがなくな〜い?

・・・って、後からブツクサ思いながら、返しに行きましたとさw
マジメかww

でもね、4冊借りてた3冊を返したの・・・
4冊目の8巻(昨日からスタート)、期限切れるの確定〜w

借り直すのもメンドクサイから・・・頑張ってサッサと読む!

今度から三国志は2冊ずつ借りようと決めましたw

はぁ〜、入院したい〜。
そしたら、どっこい借りてしけこむのに。

休みの日に家で読めばいいじゃん?
ムリムリ!
家に居たら打ちにいくから忙しいんですよ(笑)
【951】

聖(さとし)の青春  評価

ゆさみん (2017年01月30日 22時30分)

聖(さとし)の青春(2016年)
監督 森義隆
脚本 向井康介
原作 大崎善生
出演者 松山ケンイチ
    東出昌大 ほか
音楽 半野喜弘
主題歌 秦基博「終わりのない空」

80点。

将棋棋士・村山聖を題材としたノンフィクション作品の映画化。発表当時、かなり話題となり、実際、第13回新潮学芸賞、第12回将棋ペンクラブ大賞を受賞した。書評その他でかなり話題になっていたのを記憶している。将棋に興味のない私も、書評の対談番組だったろうかで紹介された、命をかけて将棋に生きた村山聖の人生についての簡単な知識は持っていた。
ただ、それは2000年ごろのことであり、15年以上の時が流れている。再び、この作品が映画化されたり、彼をモデルとしたマンガなどが注目されるとは、すごいと思う。現代の(物質的には)恵まれた生活の中で、今はおそらくいなくなったであろう、一つのことに命をかける無頼に生きる人へのあこがれを、村山聖氏の人生に見いだす人が多くなったということであろうか。
この作品を見る前に、NHKで放送されたドキュメンタリー番組を見た。実際に彼が住んだ部屋を訪れる人や、彼に接した人へのインタビュー、羽生氏との対局の映像などを見て、「あらためて凄い人だったのだな」と思うと同時に、彼の生き方への羨ましさ、私はそんな人生は送ることができないがゆえのあこがれなどを感じた。
病気というマイナスを抱えながらも、こういう生き方があるのだ。もちろん、彼のような生き方はできないにしろ、そうありたいという生き方への指針を示した意味では、彼の存在はとても大きいと言えるだろう。

というわけで、映画である。
当然ながら、将棋の対局の場面があるのだが、将棋の対局ってドラマティックに見せるのって難しいよね。だってパシンパシンと打っているだけだから。将棋を分かっている人は静かな中にも緊張感のある部分を感じることも多いだろうけど、私のように将棋を知らない人は実感するとなると難しい。でも、映画だから、将棋を知らない人でも実感させないといけない。そこで魅せる工夫が入るわけだけれど、結論から言うとこの映画における将棋の魅せる描き方は(ああだこうださんに言わせればもの足りないそうであるが)私は成功していると思う。ちまたで言われているように羽生氏を演じる東出氏の演技は本人になりきっているようであるし、村山聖氏を演じる松山氏の演技も体重を増やしたという外見以上に本人の葛藤をうまく演じていると思う。WOWOWの映画紹介では、実際の対局にそって何時間かずっと撮影していて、映画で使われたのはその一部であるということで、役者本人もあの場面でああいう表情や仕草をしたことということは映像を見るまで知らなかった、と言っていた。それほど対局に没入していたということであろう。演じた二人と、場面を切り取った編集・演出の上手さが光る場面だったといえる。

対局が終わったあとに、村山聖氏が羽生氏をさそって会場の外に出て飲みに出る場面もいい。これも静かな場面であり、本当に実際にあったかどうかはわからないのであるが、二人の静かな会話の中に村山聖氏や羽生氏の将棋に対する複雑な思い、生き方などの心模様が伝わってくる。時々心象風景らしき映像が入っていい味を出している、と思う。

また、村山聖氏の死の場面をストレートに描いていないのもいい。お涙ちょうだいの映画では無いんだから。それでいて、死を知った周りの人の反応で悲しみや無念さを表している。
いやあ、良い映画だ。良い映画を見たなあ、と思わせてくれる一本であった。
【950】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2017年01月30日 22時28分)

みゆりんりんさん、こんばんは。

また、夢を見ていた

読了され、良かったとのこと。感想を聞いて、読みたい気分にされられました。
この作家って「君の膵臓を食べたい」の著者ですよね。昨年から本屋で売っていて、今でも平積みになっていますのでいつか読みたいな、と思っていました。そうですか。良かったですか。図書館ではしばらく競争率が高そうですね。

グイン・サーガ
いろいろ述べましたが、私も25〜26巻くらいでストップしています。この手の本はみおつくし同様、出されたらすぐに読むというスタイルを崩してしまうとなかなか追いつけない(苦笑)
あとでまとめて読もうと買っておいて、ついおろそかになっちゃった・・・
100巻記念本という、100冊を小さい字で上下2分冊に分けて売られた特装版(かなり値が張りました)を買ったけれど、いまだにしまってあります(笑)
面白いんだけど、やはり長さに手を出せない自分がいます。

では、三国志シリーズ、楽しんでくださいませ。
【949】

RE:映画について語ろう  評価

みゆりんりん (2017年01月28日 08時53分)

おはようございます。

また、夢を見ていた

終わりましたよぉw

全般的に良かった!
この本を読んでる時『こういう風に生きてる人は、とても大事に自分の人生を送ってるんだろうな〜。実際どれくらい居るんだろう?』と思いました。

この本を読んでる時だけは、ゆったりとした時間を感じられました。

とてもじゃないけど、こんな風にじっくりと何かを選び取ってきたって実感はなかったですね。

読んだ人はみんな共感するところがあると思います。
そして、目を瞑って逃げた事もある・・・と思う所がある筈です。

全部が全部、自分が思う様には選び取って来てる人は少ない・・・若しくは居ないハズですから。

だからこそ、この主人公の成長に輝きを感じます。

そして、出会いには夢のような宝物のようなものがあると。

たまにテレビで『この人に出会って拓けた』とか言う事を聞きますが。

そこまで実感出来る人は何人居る事でしょう。

遡って考えましたが、人生を左右する程の素晴らしい影響を与えてくれる人に出会ったという実感は、私にはありませんでした。

だからこそ、今からの子達には、こういう本を読んで貰いたいと思いましたね。

実際には私にもあったかもしれない宝物の出会い。
それを、それとして認識出来なかった未熟な自分だったのかもしれません。
目先の事だけに捉われて。

だからこそです。


で、三国志に舞い戻り。
熱い戦いに身を投じて・・・泣けました、張飛の部下の死。

>グインサーガの栗本薫氏

タイトルと作家名は知ってます。
ただ、ひたすら長いと思って、手を出せずにいました(笑)

>正伝だけで140巻出されています

うぉっ・・・・

>これもまた有名なベストセラー作家の作品ですよね。

そうだったんだ!
さすが、予約殺到本w

今読んでるのが終わってから、手元に何も無くて困るとなったら、根性を入れて手を出しますw
(三国志もそのパターンw)
【948】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2017年01月27日 02時34分)

みゆりんりんさん。
ど〜もで〜す♪

北方版三国志にどっぷりお浸かりのようで(笑)
いいなあ。
シリーズを読む楽しみがあるって。

私は「みおつくし料理帖」以来、長いシリーズって読んでいないなあ。
もうね、最近体力(読書も体力が重要だと思うよ)と精神力がないのさ。
三国志も読んでいないので、みゆりんりんさんに
「そうだよね〜」なんてコメントができないのが悔しいです(苦笑)

昔、幻魔大戦やグインサーガシリーズなどをワクワクして読んでいた日々は遠くなってしまった。
ちなみに幻魔大戦の平井和正氏とグインサーガの栗本薫氏は鬼籍に入ってしまった。
グインサーガは、ギネスにも載り(一人の作家の最長シリーズ)現在でも他の作家が引き続いているようです。

どうです。三国志を読んだあかつきには次にグインサーガに挑戦してみては・・・

ウィキペディアによると・・・
豹頭の戦士であるグインを主人公として、架空の世界、架空の時代に生きる、彼を中心とするさまざまな人物の生と死の波乱を描いたサーガ(大河小説)。『三国志』を彷彿させるような、国と国とのあいだで繰り広げられる戦争、策謀、興亡の歴史を背景として、その宮廷、あるいは市井に生きるさまざまな人物の野望、妄執、友情、決別、恋愛といった愛憎が織りなす壮大な人間模様を紡ぎだしていく。

おおっ三国志を読み終わったあとに読むシリーズとしては相応しいと思いませんか?
ちなみに今、正伝だけで140巻出されています・・・

>また、同じ夢を見ていた。
>住野よる

これもまた有名なベストセラー作家の作品ですよね。未読ですが。
今後、面白い展開になるといいですね。

では、また。
【947】

RE:映画について語ろう  評価

みゆりんりん (2017年01月25日 14時29分)

おっこんちゃ〜w

三国志、現在6巻目っすよ〜んw

やぁ〜っと、孔明が登場。
でも劉備の求愛に悶々中。

今までの登場人物の中で、目を見張ったのが周瑜。

超出来る男だったんだね〜w
名前しか知らんかった。

孫策と、姉妹をそれぞれ嫁にしてたとはw

で、7巻目と8巻目を準備しておこうと借りに行ったら、予約本が1冊。

また、同じ夢を見ていた。
住野よる

三国志、先が長いから、これからやっつけていこうと開始。

小学生のお子ちゃまが主人公で、子供言葉で話が進行していきます。

既に不安『大丈夫か?』

現在20ページ程進みましたが、全く興味が湧きません・・・大丈夫か?

そう言えば、華佗と言う医者が登場してます。
中国史で超有名な医師で実在したのは知ってましたが、曹操の主治医だったんだ〜へー的な。

興味ある所だけをボチボチと拾い上げるような感じできたので、ちょっと繋がると、逆に違和感が・・・(笑)

それでは〜w
【946】

生頼範義展III 3(1)  評価

ゆさみん (2017年01月23日 00時33分)

3 凄すぎる生き方に対する果てしない絶望的な距離、そして共感
展示会終了の二日前の1月14日。
イラストレーター寺田克也氏と雑誌編集者の高橋ヨシキ氏のスペシャルギャラリートークが行われた。
150人ほどの人が囲む中で生頼氏の絵に対する思いやその凄さを二人で語ったのであった。私もむろん行って面白く聞いていたのであるが、その内容は一言で言うと結局「生頼氏って凄いよね」というものである。
寺田氏は、三回ともこの展示会には来ているけれども、会場を出る頃にはがっくり首をうなだれて帰るそうである。自分との違い、そしてあまりの凄さに圧倒されて。
小さい頃から生頼氏の絵に対するあこがれをもって生きてきて(寺田氏は、高校生の頃に、生頼氏の最初の画集、それも豪華限定版仕様の画集を購入している)氏にとっては雲の上の存在であった。そして、イラストレーターという職業を選んでからは常に生頼氏の存在はあったという。
漫画家をこころざしていたころに、あんな絵が描きたいとペンとインクを買った。プロが使っている道具さえあれば、理想の絵が描けると思っていた。しかし、描けない。イラストを描きたいと思って、生頼氏が使用していた絵の具「リキテックス」も買った。でも、ぐちゃぐちゃの絵しか描けない。「当たり前だよね」と寺田氏は笑った。
どうしたら、あのような絵が描けるのか。それを追求しながら、ここまでやってきた。そして、プロのイラストレーターとして、ひとかどの地位を築いた今、生頼氏の原画を見てびっくりしたという。
カラーの絵は、油絵によくあるごつごつした修正の跡があるものか、と思ったらほとんどない。下絵として描いた絵と完成した絵を見るとほぼ同じである。
点描など白黒の絵は、失敗してもホワイトで消せば印刷ではちゃんと写るから修正しやすいと割り切って書く人もいて原画は見られたもんじゃないものも多いけど、生頼氏の絵はほとんど修正が無く一枚絵として完成している。聞いた話では、超リアルな点描画も3時間くらいで完成したみたいよ。ええ〜、うそだろ?
使っている道具は、どこにでもある画材屋に売ってあるペンと絵の具と筆のみ。
寺田氏「だから、みなさんもペンと紙さえあれば生頼さんのような絵が描けるんですよ」(笑)
いいや、描けません(苦笑)
プロの画家ですら舌を巻く、その圧倒的な技量と残した膨大な作品数。
私たちにできることは、ただ、ひたすら絵に人生を捧げた生頼氏の絵をだまって見るのみである。

普通の人にはここまでの生き方はできませんわ。
「落ち込んでいる暇はない。描かなきゃ。ボクは今も描いてる」
そう激励され、生頼氏の絵をプレゼントされた画家の卵の人は、実はその後、結局生頼氏の絵のすさまじさに圧倒され、「私にはこういう生き方はできない」と画家への道をあきらめたそうである。
(下に続く)
【945】

生頼範義展III 3(2)  評価

ゆさみん (2017年01月23日 00時33分)

(上からの続き)
レビ(天井キラー)さんと酒を飲みながら話を交わした折、私としては、もっともっと氏の凄さを多くの人に知ってほしいと思っていることを述べた。(残した作品に対する評価が低すぎる、もっと再評価されてしかるべきだと思う、と)しかし、レビさんは「宮崎くらいでちょうどいいんじゃないかな。あんまり都会とかで広めなくてもいいんじゃないかな」という意見であった。
自分には、こんな生き方はできない。
レビさんの考えは、そう受け止める人のことを思ってのこともあるだろう。

さて、展示会を訪れた人の中で、生頼氏の生き方に共感をもって受け止めた人もいた。
会場に設置してある寄せ書きコーナーの中で(私にとって)ひときわ目を引いたコメント。
書いたのは、作家の夢枕獏氏である。
そうそうたるマスコミ関係の有名人の中に、ひっそりと書かれた夢枕氏のコメント。
原稿をひたすら書いて書いて書いてきた。倒れても、時に点滴うちながら小説を書いてきた夢枕氏。
氏の著作を多く読み、氏の生き方をご存じの人なら、なるほどと思う人もいるだろう。
最後に、夢枕氏のコメント全文を紹介する。


ありがとうございました。
ありがとうございました。
書きつづけるしかありませんね。
ありがとうございました。  夢枕獏
【944】

生頼範義展III 2  評価

ゆさみん (2017年01月14日 09時53分)

2 晩年の老いが感じられる作品
生頼氏のイラストレーターとしての活躍期間は50年にもおよぶ。1960年ごろから2010年頃までである。普通、画家としてのピークは短い期間であると言ったのはSFイラストレーターである加藤直之氏だったろうか。しかし、生頼氏のピークはとてつもなく長い。「特に1980年代の頃の絵はすごい」(内覧会で富山省吾氏が述べていた)私としては、1980年代から1990年代前半までの絵が凄いと感じた。1980年代といえば、氏の描く量がピークを迎える時期である。めちゃくちゃ描いていた時期が一番凄いというのは、クリエイターとしてはある意味納得する人もいるだろう。構図も凄く、絵も精緻で美しく迫力がある。1985年には1年間で100点以上描いていたそうで、単純に言えば3日で一枚描いたことになる。当然、これは装画であれば原作本を読む時間と構図を決めたりする時間を合わせてのことである。いくら筆が速いとはいえ、ほとんど不眠不休の毎日だったのではないかと思われる。
しかし、こういう生活を続けていたツケは体を蝕んでいくものだ。
2000年後半になって絵は少しずつ荒いものになっていく。
その中で、描いた映画「日本沈没」(樋口真嗣監督)のポスターは、おそらく氏のポスターとしては最後の氏らしい作品と言えよう。2006年作品。
だんだんと構図やタッチが荒くなり、オーライタロー氏によれば、最後の氏らしい作品は2008年に描かれた「小松左京の肖像画」(小松氏が亡くなった際に遺影にも使われた同人誌「小松左京マガジン」表紙として描いた作品)で「父の底力を感じさせてくれる作品」(オーライタロー氏)である。その翌年描いた絵が、多くの大作に混じって展示されていた。

「戦国自衛隊1549」

福井晴敏氏の著作で映画化もされた本の装画である。
生頼氏の作品として誰が見ても、落差がはっきりしている。
https://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%9B%BD%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A1549-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%A6%8F%E4%BA%95-%E6%99%B4%E6%95%8F/dp/4043943148
実際の作品は、装丁と違う。絵の下に「ハイペリオン」シリーズのようにローマ字で「HARUTOSHI HUKUI」と描かれた部分がある。この部分は本ではカットされている。
この絵を見て、別の意味で衝撃を受けた。あれほど美しく精緻な絵を描いていたのに何という落差であろう・・・「HARUTOSHI HUKUI」の文字も、ハイペリオンで描かれたような銀のプレートに彫られているような精緻さは見るべくも無い。
ただ、構図は往年の氏を彷彿とさせる。戦車に馬に乗って走る武将の絵の後ろには主人公の男女、空中にはヘリ。遠近感を逆にして、手前に大きいものを小さく描き、主人公らを大きく描くという「らしい」構図である。たぶん、この絵を描いたときは、視力の低下と手の自由に難があったのではないか、と想像する。

よくこの絵を展示されたなあ、と思う。
この展示会は氏のイラストレーター人生の後半を展示するものでもある。この絵を展示された主催者の英断に感謝したい。

というわけで最盛期と下降していく氏の絵の変遷を見ることが出来る意味でも、この展示会はファンとしては嬉しいものである。
【943】

生頼範義展III 1  評価

ゆさみん (2017年01月14日 09時54分)

いよいよ生頼範義展IIIが明日で終わる。
ここで今回の展示会の見所や特徴をまとめておきたい。

1 画家として描いた絵の展示
今回の生頼展IIIには注文されて描いたものでは無い絵が十数点展示されている。ジャンルとして分けると、一つは家族や近所の人物などを描いたもの、一つは大作「破壊される人間」(川内市歴史館所蔵)につながる人間がどろどろに崩れていく様子を描いたもの、もう一つが戦艦の絵と戦艦の戦いを描いた絵などである。すべての絵がサインが無い。よって完成品とは言えず、氏が生きていたら絶対展示することを拒んだであろう作品群である。ちなみに図録にも載っていない。
氏が亡くなって初めて見ることが出来たという意味で、さみしさもあるが、それ以上にあれほどの量を描きながらも、氏には個人的に描きたい絵が多くあったのだ。
人間がどろどろに崩れていく様子を描いた試作の絵は、一見目を背けたくなるような絵であり「小さい頃に見たらトラウマになってしまう」(映画監督・樋口真嗣氏の言)ような迫力のある絵である。実際「破壊される人間」(川内市歴史館所蔵)は当初はそのまま展示していたが、歴史館ということで学校から歴史の勉強をしに来た児童たちが、絵を見て怖くて泣きじゃくるなどの反応を示したため、現在は絵の前にカーテンがかけられ、特別な場合のみオープンにされるという。少年時、目の前で爆弾によって人がばらばらになる瞬間を実際に見た体験をしたからだろうか、生頼氏が描く戦争の悲惨さを表す絵は、残酷で、怖く、おどろおどろしく、切なく、どこか美しい。
家族や近所の人物などを描いた絵は、若き頃に描いた絵が多い。尊敬するミケランジェロなどにならって「真正なる画家」(生頼氏)としての作品を意識した作品。イラストレーターとして今は生活しているが、本来はこういう絵を描きながら生きていきたかったのだろうか。
戦艦の絵と戦艦の戦いを描いた絵は、60歳を機にそれまで依頼を断ることが無かった氏が、注文量をセーブしながら「描きたい絵を描く」として描いた絵と思われる。戦争をあれほど憎んでいた氏が、戦艦や戦争の絵を好んで描いたのは、映画監督・宮崎駿氏が戦争を嫌いながらも、零戦の造形美の魅力、それを作った設計者・技術者に対する敬意をもって「風立ちぬ」を作ったのに近い思いがあったのではないか。爆炎につつまれながらまさに沈んでいこうとしている戦艦も驚くほど精緻で美しい。


上にも書いたが、残念ながらこれらの絵は今後展示される機会はあまりないかもしれない。だって3回の展示会で900枚近く展示しているが、全体としては3分の1も満たないし、まだ展示しきれていない絵がごまんとある。来年に東京でも展示会が予定されているそうだが(オーライタロー氏によれば東京でも300点くらいは展示する予定だとか)これらの私的に描いた作品まで展示されるかは微妙であろう。

ちなみにこの私的な絵の展示分のみ写真撮影OKである。私もしっかりカメラにおさめた。とにかく、人の目に触れる機会もほとんどないと思われる作品群だけに貴重である。展示の期間も残りわずかだが、見てほしい作品群である。

※映画監督の樋口氏は、これらの中から好きな絵として一番サイズの小さな絵を選んだ。その絵は、もあもあとした煙が描かれ、それぞれの煙らしきものの奥に、何かが蠢いていそうな絵である。ぼんやりと描かれた中にあばら骨のようなものが見えたりして、人の体内のようでもあり、繭の中で生まれようとしている何者かがいそうな感じの絵であった。クリエイターとして「これが一番好き」と述べた樋口氏は、生頼氏の絵の中に、今から描こうとしているものが生まれ出てくるような創作の萌芽を感じていたのだろうか。
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