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【862】

あきない世傳 金と銀 源流篇  評価

ゆさみん (2016年03月06日 18時05分)

さて、高田郁氏がとうとう次のシリーズを書き始めた。

「あきない世傳 金と銀」シリーズである。
第1巻は「源流篇」

ファンとしては嬉しい限りで、出版早々に文庫本のベストセラー第1位に躍り出た。

主人公が女性でさまざまな試練を乗り越えていく成長物語というのは、みおつくしと同じ。こんどは商家に働く「幸(さち)」の物語である。

武庫郡津門村の学者の家に生まれた幸と家族の日々。幸は、学者で子どもたちに読み書きを教えている父親の重辰、女に学はいらないという母親の房、そして妹の結との4人家族。
しかし、兄と父が亡くなり、生きていくために生まれ故郷を出て大阪天満の五鈴屋で奉公することになる。
「手の荒れておらぬ者は信用するな」
「自らは何も生み出さず、汗をかくこともせず、誰かの汗の滲んだものを右から左へ動かすだけで金銀を得るような、そんな腐った生き方をするのが商人だ」
父は商人のことをそのように言っていた。しかし、奉公するうちに少しずつ商いについて、教えてもらううちに、商人の姿が分かってくるようになっていく。

今のところ、奉公人であるから、商いについて口を出したりするなんてとんでもない下働きの一人にしかすぎない幸が、どのようにして商いの道に入っていくのか、続きを読みたくなること請け合いである。

相変わらずの高田節で、これでもかと不幸が訪れそうな展開であるが、それを乗り越えて正直に人生を見据えていく主人公を応援したくなる小説のはじまりはじまりである。
これまでのシリーズと違っているところは、1冊の構成が、4つの連作短編が1冊になっているというのではなく、12の章立てとなっている。
幸の成長が江戸時代の商家の蘊蓄とともに話が展開していくであろう。
第1巻の最後は、高田氏らしい展開の強烈な引きで終わっていて、これで半年も待つのは読者としては辛いなあ。
【861】

出世花シリーズ  評価

ゆさみん (2016年03月06日 18時38分)

※本のコメントです。

結局、我慢できずに高田郁氏の「出世花」シリーズ全2巻を読んだ。

「出世花」
「蓮花の契り 出世花」

「出世花」は高田郁氏のデビュー作であり、人によっては最高傑作と推す者もいるくらいの作品である。

あらすじを紹介すると・・・

主人公の縁は、妻敵討ちを願う父矢萩源九郎に同行して各地を放浪していた艶は、空腹のために食べた野草に混じっていた毒草によって行き倒れる。看病の甲斐なく源九郎は亡くなり、回復した艶は縁という新たな名を与えられて、青泉寺で育てられ、やがて湯灌の手伝いをするようになる。そして、自分にとっての善き人生とは何かを悟り、三昧聖(さんまいひじり)として湯灌の仕事を続るようになる。

湯灌とは、亡くなった遺体を丁寧に洗う仕事であるが、洗うばかりでなく、病み衰えた体や下腹部を遺族に見せないように配慮したり、病気のためにやつれた頬に綿を詰めてふっくらさせたり、化粧を施したりするなどして、安らかに浄土に旅立って行く手助けをする仕事である。

主人公が様々な試練を乗り越え、成長していくというのは「みおつくし料理帖」シリーズと同じであるが、人の死に関わる仕事を描くのであるから、話としては料理人を扱う「みおつくし料理帖」シリーズに比べると、重くて切実な内容となる。
次回をお楽しみに、という連続ドラマ的な「みおつくし料理帖」と比べると、前後編スペシャルドラマという感じで、こちらの方が感動的というかズシリとくる感じではある。

むろん、みおつくし料理帖が劣っているとかいうのではなく、好みの問題であろう。
私としては、どちらも好きなシリーズである。
とりわけ、親しい人を亡くして悲しみにくれた経験のある人は「出世花」シリーズに救われる人もいるだろう。

「あなたの悲しみにこの物語が届きますように」

完結巻のあとがきで筆者が述べている、この最後の1行が作品のすべてのメッセージとなっている。

感動というよりも、読者に救いを与えてくれる小説を書く作家はそうはいまい。
あらためて、凄い作家であると思った作品集であった。
【860】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2016年03月02日 22時18分)

みなさん、こんばんは。
フォッカーさん。どうもです。

コメントありがとうございます。

アカデミー賞の様子は仕事しながら、ネットでちょくちょく覗いて確認していました。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
前半、衣装だとか編集だとかの賞でいくつも受賞し、凄い勢いだったのでドキドキしてみていました。
宇多丸氏は「アカデミー賞総なめに近いような映画だろう。逆に取らないとおかしい」と言っていましたが、アカデミー賞のこれまでの特質(アクション映画は作品賞は受賞がむずかしい)として、作品賞はまず無理だろうな、とは思っていました。よって作品賞や監督賞が受賞できなかったことにそれほどショックはなかったです。
でも、最多受賞ということで、監督やスタッフの努力も報われたと思います。

もちろん私も受賞後、ブルーレイを鑑賞しましたよ(笑)
ちなみにサントラ盤CDは数百回は聴いてます。(半年くらい、車でかけっぱなしなのであります)今では、バラエティ番組とかでサントラの音楽がちょこっと流れると「マッドマックスの音楽だ」と指摘できますよ。えっへん。

それはそうと今でも「うる星やつら」を鑑賞しているんですね。いやあ、さすがだ(爆)
ちなみに私はランちゃんが好きですね。

ところで、私が最近みたアニメで面白かったのは、パチスロにもなったことがある「ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて」であります。
初見でしたが、日テレで再放送をやっていたのを、スロになっていたなぁと思い、録画して見ていたら、いやあ傑作でありました。
10年以上前の作品で、簡単に言うと「魔法少女アニメ」のパロディ版。ウィキで見てみたら、邪道魔法少女シリーズ(!)の第1作目で、魔法少女のみならず、タツノコプロのアニメパロディも満載で、げらげら笑いながら見てしまった。
この手の作品、好きですねえ。興味があったら、是非(笑)
【859】

こんにちは(笑)  評価

フォッカー (2016年03月02日 09時01分)



 ゆさみんさん、お部屋のみなさん おはようございます(笑)

 先日の低気圧 みなさん 大丈夫でしたか?





 ☆ゆさみんさんへ

  最近の映画、とんと見てないですが、オスカーの行方が気になってました(苦笑)

  見事、ディカプリオが受賞しましたね(笑)


  その他に、マッドマックスが6冠じゃないですか!


  またレンタルしてきて観ようかと思ってます(笑)


  ええ、今はうる星やつらのテレビシリーズを見直してますので…(爆)





 それでは、突然失礼しました(苦笑)
【858】

映画三昧  評価

ゆさみん (2016年02月23日 20時25分)

ここ数ヶ月、映画三昧の日々である。
映画館自体は、見た映画はこのトピで紹介しているのでお分かりと思うが、ヒト月から二ヶ月に1〜2本くらいのペースで、それほど多くない。
が、WOWOWを中心にそれなりの本数の映画を見ている。
ヒト月に30本は超えていると思う。
特に週末の休みは、最近とみに出不精になり、ほとんど家で映画を見て過ごす。
以前は休みはパチンコ店に行っていたことも多かったが最近はパチやスロにそれほど情熱が湧かない。
はっきり言って映画を見る方が楽しい。
2月の20日、21日の土日は二日間で7本ほど見た。
それでも録画ストックしている映画は数10本ある。

別に制作されている映画を全部見ようなどと思っているわけではない。興味のある映画をセレクトしていてもストックが溜まるのである。
では、なぜ、こういうことになるのか。

一つの理由は、やはり映画制作本数(上映本数)の増加であろう。
例を挙げるなら、本県のシネコン(複合映画館)の現在の映画上映本数を見たら、20本もあった。当然ながら、制作されても上映されない映画も多くあることを考えれば、膨大な数の映画が制作されていることになる。

こんなに制作されていることは、全体的に映画自体が経済的にもうかるものであるであるということの証左であろう。映画館入場料はもちろん、レンタルや配信による利益、グッズの売り上げなどで、一般的にはマイナーな作品であってもコアなファンの存在で十分に利益が出るものとなっている仕組みであろう。

よって、公開されていたのに「そんな映画あったの?」という作品も多く、WOWOWでオンエアされて、初めて知る映画も多い。

とにかく映画が多すぎである。映画ファンとしてはうれしい気もするが、それを見るのも大変だ。

最近は、最新作も見るが、かつて見た映画を見直すことも多くなった。数十年ごろ前に流行った映画など見てはいるがほとんど忘れている。先日は「タワーリング・インフェルノ」「ティファニーで朝食を」とか見たが、一部のシーンは覚えているが、ほとんど忘れていて新鮮な気持ちで見ることも多い。たとえば、ジョン・ヒューズ制作の青春モノとか、ヒッチコック作品、高倉健の「八甲田山」「海峡」「居酒屋兆治」「幸福の黄色いハンカチ」「君よ憤怒の川を渡れ」、それより前の私としては未見であった「陸軍中野学校」シリーズ、勝新太郎の「兵隊やくざ」シリーズ、はたまた高倉健の任侠モノなどを見ながら、昔の映画もいいねえ、と思いながら楽しんでいる。

洋画では、私の知人が「アメリカ映画では1990年代の映画が名作が多いという話だよ」と教えてくれて、改めてそこらへんの映画も見直してみようと考えている。先日は「ペリカン文書」(監督アラン・J・パクラ 出演はデイゼル・ワシントンとジュリア・ロバーツほか)を見たがいや、なかなか面白い。

この映画三昧の日々はしばらく続きそうである。
【857】

ヴィジット  評価

ゆさみん (2016年02月14日 01時19分)

ヴィジット The Visit (2015年)
監督・脚本 M・ナイト・シャマラン 

期待を裏切り続けてきた「シックス・センス」のシャマラン監督の最新作。
シャマラン監督については「アフター・アース」でそれなりに語った。

アフター・アースの感想を一言で言うと「期待外れ」
この映画、予算をかけた割には、ちまたの評価もかんばしくない。

それでもなお、シャマラン監督となれば、やはり気になる。
今度こそ、シャマラン印の面白い映画が観たい。
ネットでは、最近のシャマラン監督らしくない(?)面白い映画になっている、とのこと。

これは観に行く価値はあるかな。
というわけで、本県では全国より遅れて公開しかも2週間限定ながらも映画館に足を運んだ。

今回の映画、それまでの大作では無く、低予算映画であり、どっかで観たようなハンディカムで撮った(ように見せている)映像で構成されている。「ブレアウィッチ」路線ね。

ストーリーは・・・(以下、ウィキより)

シングルマザーに育てられている15歳の姉ベッカと13歳の弟タイラーは、祖父母から休暇を利用して遊びに来ないかとの誘いを受ける。
2人はペンシルバニアの祖父母の家で1週間を過ごすことになる。初めて対面する祖父母に最初は緊張したものの、優しい祖父母と美味しい料理に2人は大喜びし、すっかり意気投合する。
ただ、祖父母からは、「楽しい時間を過ごすこと」、「好きなものは遠慮なく食べること」、「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」という3つの約束を守るように言い渡される。
しかし、夜中になると、家の中には異様な気配が漂い、不気味な物音が響き渡る。それに恐怖を覚えた2人は、開けてはいけないと言われた部屋のドアを開けてしまう…。

観た感想はというと・・・

まず、2度ほど絶叫した(笑)
1度目は、コアイ人がいきなり画面に出現シーン。
2度目は、潔癖症の男の子の顔に○○○が押しつけられるシーン。

ちなみに、絶叫の意味合いは異なる。うわ〜、心臓に悪いわ・・・
んで、一言で言えば、怖くて面白い映画であった。

ネタが分かったあとで考えてみれば、そんなにホラーってわけではなく、お金がかかっていないので宇宙人のしわざとかSFに逃げるんでもなく、単純と言えば単純な仕掛けの映画である。冷静に考えてみれば、登場人物の思考や行動に無理もある。
よって、ケチをつけようとすればつけられる。

しかし、観ている間は映画に入り込んでドキドキハラハラされられた。
ハンディカムの手法って、斬新ってわけではなく、逆に制約も多いだろうが、その中でうまく演出がなされている。尋常では無い不気味さが伝わってきた。
物語の中核となる仕掛けには、私は途中で何となく気づいていたけれど、それでもやはり楽しめた。

シャマラン監督って、低予算で好きに撮ってもいい、という形で映画を製作する方が向いているんじゃなかろうか。
是非、家庭で観る場合は、電気を消し静かに観ることをオススメする。

一つ、忠告。
この映画、シックス・センスじゃないけれど、ネタを話してしまっては、映画を観る面白みがなくなるので、ネットでのネタバレ説明は絶対に読まずに映画を観るべし、と言っておこう。
【856】

クリード チャンプを継ぐ男  評価

ゆさみん (2016年02月07日 17時28分)

クリード チャンプを継ぐ男 Creed(2016年)
監督 ライアン・クーグラー 
脚本 ライアン・クーグラー
   アーロン・コヴィントン 
出演 マイケル・B・ジョーダン
   シルヴェスター・スタローン 
音楽 ルートヴィッヒ・ヨーランソン 

公開終了前のギリギリに観に行った。
当初は
「ロッキー」シリーズの続編か〜、まだやるの〜?
ってな感じで、映画館に行くまでもないかな、と思っていたのであるが、ネットでちらっと評価を覗いたら、えらく評判がいい。
あんまりみると映画に先入観を持ってしまうので、ロッキーがかつて戦ったチャンピオンのアポロの息子をロッキーが育てていくお話、という程度の予備知識を持って観に行った。
映画の途中で「クリード」って、アポロ・クリードの「クリード」なんだ、と気づいた次第(笑)

観た感想を一言で言えば
「面白かった。映画館で観て良かった」

見終わったあとでネットで調べると、ロッキーの続編で制作会社が儲けよう、といった形で作られたわけでなく、当時無名の新人監督ライアン・クーグラーがロッキーの続編を撮りたいと思ってあたためていた作品であり、その情熱にスタローンが答える形で作られたものであると分かった。

ストーリーを要約すると、
アポロの愛人の子アドニス・ジョンソンは、アポロの正妻に引き取られ有能なビジネスマンとなっていたが、ボクシングの情熱を棄てきれず、会社を辞め家を飛び出し、ロッキーにトレーナーを頼みに行く。その熱意に押し切られ、ロッキーはアドニスのトレーナーとなり世界戦に臨んでいくのであった。
というお話。

アポロの子のアドニスがハングリーでなく、裕福な家にいるという設定が、「がんばれ元気」を思い起こさせる。裕福な暮らしを棄てて、ボクシングに打ち込むという設定はなかなかいい。スタローンが、俺もまだやれるんだぞといった形で自分を押し出さず、あくまでトレーナー役に徹しているあたりもいい。アカデミー賞の助演男優賞候補ということで今回のアカデミー賞の台風の目になっているらしいけど、それもうなずけるほどいい演技である。
ニワトリを捕まえるトレーニングなどロッキーシリーズのファンならニヤリとしてしまうような場面もある。また、音楽の使い方や演出方法には若い監督の感性がうかがえプラスに働いていると思う。ボクシング場面は、競技的なボクシングではなく、殴って殴られ精神力で「立て〜」「立って」といったロッキーシリーズの伝統を受け継いでいるのもいい。
そして今風の音楽(?)ばかりであったところに、試合の後半部分に、あの懐かしい「カーン、カーン」とはじまる鐘が鳴る音楽が流れ出す。我慢して封印していた音楽をここぞといったところで出してくるあたりも泣かせる。
伝統を受け継ぎながら、斬新さをちりばめたロッキーシリーズの新たな試みに拍手を送りたい。
【855】

RE:映画について語ろう  評価

ゆさみん (2016年02月07日 17時26分)

熊楠さん、どうもです。

>自分の好きな本を面白いと言ってもらえると単純に嬉しいんですよね。

分かります分かります。
実は、私もけっこう仕事場で読書好きな人には、自分の本を「良かったら読んでみませんか?面白いですよ」と貸したりしているんですよ。

>新刊が出ると2〜3冊前から読むのがパターンだったので、夏天の虹なんて4回読んでおります。

ひゃっはー。それは凄い。熊楠さんならではですね。私は前巻の終わりの部分を読み返すくらいだなあ。今回は時間はかかりましたが、次々と読めて、待たなくていい幸せをかみしめておりました。

「出世花」はもうしばらく経ってからゆっくり読もうと考えております。何か、勿体なくて(笑)
【854】

RE:映画について語ろう  評価

熊楠 (2016年01月31日 15時10分)

ゆさみんさん

ご無沙汰です。

良かったでしょ。みをつくし料理帖 

自分の好きな本を面白いと言ってもらえると単純に嬉しいんですよね。

>刊行中は、半年に1冊出される本を、週刊マンガの次の号を待つ気持ちで心待ちにしていた人が多かったろうなあ(ね、熊楠さん?)

見てました?本当にそうなんですよ。
特に8巻目の残月は、半年遅れで発刊まで1年あったんですよ。
本当に待ち遠しくて。
で、新刊が出ると2〜3冊前から読むのがパターンだったので、夏天の虹なんて4回読んでおります。

>川に釣りに行きハゼを釣ってきて、天ぷらにして食べたりした(笑)いや〜、うまかった。

いやぁ 気持ち十分にわかります。
残念ながら近くにハゼがつれる環境と美味しいてんぷらを作る腕がないのでできませんでしたが^^)

しかし、考えたら美雪晴れは2回、天の梯は1回しか読んでない。
今読んでる本読んだら、最初からもう一度読もうかなぁ。
【853】

みをつくし料理帖  評価

ゆさみん (2016年01月31日 11時37分)

※今回は本の紹介です。
「みをつくし料理帖」(高田郁著 角川春樹事務所)全10巻を読み終えた。
唄と本部屋の熊楠さんから勧められ、昨年の10月くらいから映画鑑賞の傍ら、ちびりちびりと読みはじめ、つい先日読み終えた。

面白い。
いや〜至福の読書体験をさせていただいた。

読書好きの人なら、文庫本のベストセラーにもなっているので、よく知っているシリーズである。数年前に北川景子主演で長編ドラマとして2本放送されたので見ている方もいるであろう。(NHKの朝ドラの「澪つくし」とは別物です)一応簡単に紹介しておくと、主人公で料理人の「澪」がまわりの温かい人に囲まれながら試練を乗り越え、自分の料理の道を極めていくというオハナシである。
シリーズとはいっても、1巻に4話入っている短編連作集という感じなので、気軽に読める。途中から一気読みしたい気持ちがおこりながらも、巻が進むにつれて読み終えるのが勿体ないような気もおこり、ゆっくりと味わうように読んでいった。
ずっと前にこの部屋でも紹介した高田氏の著作「あい〜永遠にあり〜」では、大河ドラマ的な波瀾万丈の物語が1冊の本に凝縮された感じだったが、この「みおつくし料理帖」は週刊本の連載を読む感じで、主人公澪を中心に江戸の町の中で料理に関わるストーリーが展開していく。主人公に降りかかる試練を澪がどのように克服していくのか、彼女のほのかな恋は実るのか、料理対決はどうなるのか、親友の野江との関係はどうなってしまうのか、ドキドキハラハラの展開が読者を飽きさせない。
刊行中は、半年に1冊出される本を、週刊マンガの次の号を待つ気持ちで心待ちにしていた人が多かったろうなあ(ね、熊楠さん?)
私はあんまり料理についてそれほど興味がない人であるけれど、本の面白さには全く関係無く面白く読めた。というよりは、料理の蘊蓄なども学べて逆に面白く読めたともいえる。
時には、澪が料理人の店「つる屋」で出されるハゼの天ぷらが食べたくなり、川に釣りに行きハゼを釣ってきて、天ぷらにして食べたりした(笑)いや〜、うまかった。

しかし、高田郁という作家にすっかりファンになってしまった。どの本もハズレがない。
そして、人間を見つめる視線のあたたかさ。
特に苦境にある人間に対する寄り添うような視線が文章中ににじみ出ていて、読者をほろりとさせる。
読後、読者の心をあたたかくさせるような本をこれほど書ける作家もあまりいないと思う。どうして直木賞を取れないのであろう、不思議だな。

エッセイ集「晴れときどき涙雨 高田郁のできるまで」(2012年7月 創美社 / 2014年12月 幻冬舎文庫)には、みをつくしシリーズを出している角川春樹事務所の社長自らが、原稿のゲラを「良い本だから読んでみて」と紹介する場面なども出てくるが、さすが、角川の一時代を築いた人である。良い本に対する見る目は確かである。と同時にそこまでして売り込む内容を持った本(シリーズ)であるともいえる。

未読の方は、ぜひ読んでいただきたい本である。
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