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【723】 | RE:僧正 ヴァン・ダイン メルカトル (2009年08月20日 22時42分) |
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ドウコク!さん、こんばんは。 『僧正殺人事件』はヴァン・ダインの作品の中で、個人的には『グリーン家殺人事件』をかわしてナンバー1の評価を与えて良いと思っています。 それほど、マザーグースの童謡に則った見立て殺人を描いたエンターテインメント性は見事だったと思います。 動機の意外性、犯人の意外性は申し分ないでしょうし、連続殺人とファイロ・ヴァンスの論理性の対比はそれまでの古典にはなかったものかも知れません。 >問題はね、ラストですよ、ラスト! あんなのアリですか? >何と、探偵のファイロ・ヴァンスが犯罪を犯すじゃないですか! しかも、重罪。 メルカトル鮎なら絶対やりそうな行動ですね。 いや、彼なら必ず同じ事をするはずです。 >恐らく、それは、刑事事件的な意味で言えば、犯罪には当たらないでしょう。 言ってみれば、「未必の故意」に近いということで罪には問われないでしょうね。 私も実は読了後に、いくら探偵とはいえこんなことが許されてもいいものかと、しばらく考え込んだ覚えがありますよ。 日本のミステリなら、名探偵=ヒーローなので、決してこのようなラストにはしないでしょうねえ。 いるとすれば先に挙げたメルカトル鮎くらいのものでしょう。 しかし、時代とアメリカという土壌を鑑みると、そういった解決法もまたありなのかなという気がします。 現在よりも人間の命の尊厳は軽んじられていた時代でしょうし、日本人には理解できないブラックジョークはアメリカでは当然と捉えられていたのかも知れません、国民性の違いでしょうかね。 私が言えるのはこれくらいの事です。 ではまた ^^ |
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【725】 |
ドウコク! (2009年08月20日 22時51分) |
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これは 【723】 に対する返信です。 | |||
メルカトルさん、再びです。 >しかし、時代とアメリカという土壌を鑑みると、そういった解決法もまたありなのかなという気がします。 >現在よりも人間の命の尊厳は軽るんじられていた時代でしょうし、日本人には理解できないブラックジョークはアメリカでは当然と捉えられていたのかも知れません、国民性の違いでしょうかね。 なるほど。 そう考えれば、ファイロ・ヴァンスの行動の説明がつきますね。 「犬神家の一族」よろしく、“戦争”が影響していた、ってことですね。 それに、アメリカ人の特性。 実は「それでも……」という気持ちがあるのですが、今宵はこの辺にしとうございます。 「次回 衒学趣味」 では、おやすみなさい。 |
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