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【331】

[深夜の長距離バス](38/51)

生でったらナマで (2015年12月24日 16時07分)


「んんっ……んー!」


―ビクビクッ。

痙攣する美咲の身体を、男は口付けたまま力強い腕でぎゅっと抱き締め、座席へと押し付ける。



「……あ……ああ……」


絶頂の余韻が引くまでそのまま全身を男へ預けて、やがて美咲の全身からくたっと力が抜けた。



「はぁっ……」

ようやく唇を開放され、彼女の唇から大きな溜息が洩れる。



それは今まで感じたことのないような、甘い、大きな絶頂だった。

(どうしよう、私……私)


男の手が、その場所から引き抜かれる。


彼は知恵の目の前で、その指先をぺろりと舐め上げた。

「……また、イっちゃったね」

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【332】

[深夜の長距離バス](39/51)  評価

生でったらナマで (2015年12月24日 16時08分)



美咲にはもう、なす術もなかった。

眠ったフリをすることももうできない。


(もうだめ、やめて……)


男が彼女に向かって、にぃっと微笑みかける。

獲物を見つけた肉食獣の微笑み――。


美咲の背中がゾクリと震える。


(これ以上なにかされたら、私……私、おかしくなっちゃう……)



祈るように瞳を閉じた時だった。


「ただ今より○○インターチェンジでトイレ休憩を行います。休憩は20分間――」


車内にぱっと灯りがともり、運転手の声が響き渡った。



「……あ」

(た、助かった……?)
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