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【305】

[深夜の長距離バス](12/51)

生でったらナマで (2015年12月24日 15時22分)


疑いようがなかった。

男は、確かに意思を持って美咲の身体に触れている――。



さわさわと膝上を這い回る指先の動きは優しく、自分が楽しもうというよりは、まるで美咲に快感を与えようとしているようだ。


(ど、どうしよう……)


男に美咲は気付かれないよう、そっと唾を飲み込んだ。

なんだか、息苦しく、呼吸をするのが恥ずかしい。


「フゥッ……フゥ……」


呼吸の音が相手に聞こえないよう、思わず息を潜めてしまう。



(これ……やめてくださいって言うべき? だよね……?)


目を閉じているから、男の指に意識を集中してしまう。


それが、どんな風に自分の身体を撫でているのか、イヤでも想像してしまう。

筋張った長い男の指がイヤらしく自分の上を這い回り、膝裏の柔らかい部分を擦るそのエッチな様子を――思い浮かべてしまう。

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【306】

[深夜の長距離バス](13/51)  評価

生でったらナマで (2015年12月24日 15時23分)



(こ、この人……痴漢なんだ。私今、痴漢されてるんだ。こんなバスの中なのに……周りには人がいっぱいいるのに……)


「はぁっ……」


美咲はそっと熱い息を吐いた。


(なんか……ヘンだよぉ……)



男の指がキュロットスカートの上から、太ももを撫でる。

気付かれないよう薄目を開くと、ブランケットの下で男の手がモゾモゾとうごめく様子が分かった。



きゅん……と、微かに下腹部に甘い痺れが湧き上がる。


(やだ、エッチな気分になってきちゃった……)


薄い生地を通して、男の手のひらの体温が美咲の肌へと伝わる。


太く力強い指の感触。


(ああ……直接、触られたい……)


そう思ってしまった自分に、美咲ははっと我に返った。
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