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【84】

ケメ子物語〜その1

元パチブロK (2013年09月14日 23時18分)
女なんて嫌いだ。
いつも非論理的なことをしゃべっているし、打算的的で目先のことしか目に入らない。
地図読めないし、いろいろとめんどくさいし、男のロマンを理解しない。
ちょっと付き合ってみれば結婚をちらつかせる。
だから女なんて嫌い、キライ、大きらい。
というのは嘘、いや嘘じゃない。
女性に魅力を感じないと言ったら嘘になる。
しかし、自由に生きることと女と付き合うことを天秤で比べれば、やっぱり自由の方が大事だった。
女と付き合わなくたってどうということは無いが、束縛されることは死ぬより辛い。
だから一生独身でいよう。
自由に気ままに独身生活を楽しむのだ。
そう決めていた。

ところが・・・

その女の名はケメ子(仮名)という。
ケメ子と会ったのは今から20と数年前、俺の人生で一番忙しい時だった。
なにしろ当時は1日平均15時間ぐらい働いていた。
自分で立ち上げた会社を軌道に乗せるために昼夜を問わず働いていた。
会社を立ち上げてから倒産するまでの数年間というもの、パチンコすらしなかったのだから、いかに忙しかったが分かるというものだ。

ケメ子とは仕事上の付き合いで、美人といよりむしろブスに近く、とりわけて巨乳というわけでもなかった。
だからケメ子に魅力は感じていなかった。
ただ、ケメ子は無類のしゃべり好きだった。
仕事の打ち合わせのはずが、いつの間にか世間話になり、雑談になり、なかなか仕事の話しが進まない。
夕方からの打ち合わせが長くなり、飯でも食いながら・・・ということで、そのへんの飯屋に移動。
ところが、ケメ子の特筆すべき特徴といえば、その恐るべき食欲だった。
なにしろ、よく食べる。
食べてしゃべって、また食べてはしゃべる。
とても時間がかかる。
ちょっと酒でも飲みながら・・・となると更にいけない。
食べては飲んでしゃべって、更に飲んでしゃべって・・・いつの間にかケメ子のペースにはまっていた。
そして大変に時間を浪費して・・・。
気づいたら終電無くなってるし。
そうだねぇ、タクシーで帰るのは高くつくしね、と適当に歩いていると、そにはラブホ街。
わざとじゃありませんから〜。
疲れたから単に寝るだけだから、何もしないからといったような言わなかったような。
そんなこんなで一夜が明け、次の日からケメ子は頻繁に俺のボロアパートに泊まるようになった・・・とさ。

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【88】

ケメ子物語〜その2  評価

元パチブロK (2013年09月26日 23時56分)


第1話で紹介したように、ケメ子の一番の特筆すべき特徴といえば、その恐るべき食欲だった。
なにしろ朝から3杯飯を食べる。
食後1時間もしたら「腹減った〜」とのたまう。

そして、2番目の特徴はよくしゃべることである。
まるで壊れたラジオみたいに非論理的なことをしゃべりまくるのである。
3番目としては、よく笑うことである。
年頃の女の子は箸が転んでも笑うとは言うが、そんな可愛いものではない。
豪傑のようにガハハハと豪快に笑うのでふる。
ごく些細なことでも笑う、笑う理由があるとは思えない時でも笑う。
まったく不可解である。
ケメ子の思考回路に関しては、更に不可解としか言いようがない。
ケメ子の思想の中核を占めるのは、アナーキー思想と推測している。
規則を守ることが嫌いで、放浪癖があり、全てにおいて自分勝手だった。
そして、家賃を払うのがバカバカしくなったと言って、出会ってから1カ月もたたない内に俺のアパートに転がり込んできた、野良猫のように。
思わぬ形で同棲生活が始まった。

しかし、甘い同棲生活が始まったと思いきや、ぜんぜんそんなことは無かった。
ケメ子はその頃、新興宗教にハマっていた。
オーム真理教みたいなものである。
ハマったらとことんハマるのが、ケメ子の性格で、どっぷりとその信仰宗教にハマっていた。
朝の5時頃に家を出て宗教家の家で下働きのようにこき使われ、くたくたになって帰って来るのは夜中の0時頃であった。
よくそんな生活が続いたものだ。
二人は寝る場所が同じということだけで、生活の接点が全くなかった。
当然会話も無かった。
ケメ子との付き合い(付き合いと言えるかどうかは疑問だった。)は長くは無い、そう思っていた。
こんな二人に転機が訪れたのは平成6年のことだった。

続く
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