| トップページ | P-WORLDとは | ご利用案内 | 会社案内 |
返信元の記事
【88】

ケメ子物語〜その2

元パチブロK (2013年09月26日 23時56分)

第1話で紹介したように、ケメ子の一番の特筆すべき特徴といえば、その恐るべき食欲だった。
なにしろ朝から3杯飯を食べる。
食後1時間もしたら「腹減った〜」とのたまう。

そして、2番目の特徴はよくしゃべることである。
まるで壊れたラジオみたいに非論理的なことをしゃべりまくるのである。
3番目としては、よく笑うことである。
年頃の女の子は箸が転んでも笑うとは言うが、そんな可愛いものではない。
豪傑のようにガハハハと豪快に笑うのでふる。
ごく些細なことでも笑う、笑う理由があるとは思えない時でも笑う。
まったく不可解である。
ケメ子の思考回路に関しては、更に不可解としか言いようがない。
ケメ子の思想の中核を占めるのは、アナーキー思想と推測している。
規則を守ることが嫌いで、放浪癖があり、全てにおいて自分勝手だった。
そして、家賃を払うのがバカバカしくなったと言って、出会ってから1カ月もたたない内に俺のアパートに転がり込んできた、野良猫のように。
思わぬ形で同棲生活が始まった。

しかし、甘い同棲生活が始まったと思いきや、ぜんぜんそんなことは無かった。
ケメ子はその頃、新興宗教にハマっていた。
オーム真理教みたいなものである。
ハマったらとことんハマるのが、ケメ子の性格で、どっぷりとその信仰宗教にハマっていた。
朝の5時頃に家を出て宗教家の家で下働きのようにこき使われ、くたくたになって帰って来るのは夜中の0時頃であった。
よくそんな生活が続いたものだ。
二人は寝る場所が同じということだけで、生活の接点が全くなかった。
当然会話も無かった。
ケメ子との付き合い(付き合いと言えるかどうかは疑問だった。)は長くは無い、そう思っていた。
こんな二人に転機が訪れたのは平成6年のことだった。

続く

■ 168件の投稿があります。
17  16  15  14  13  12  11  10  9  8  7  6  5  4  3  2  1 
【101】

ケメ子物語〜その3  評価

元パチブロK (2013年10月20日 23時15分)

えーーーーーーーーーーーと
ケメ子の話はどこまでいっとったかいのー。
平成6年に、それまで心血を注いでいた会社が倒産、無職&一文無しになった。
住んでいたアパートも追われ、さてどうしようか。
とりあえずパチプロのまねごとでもして凌ぐとして、ケメ子はどうする?
ケメ子は宗教に夢中で働いていないし、ケメ子を養っていけるような余裕もない。
俺は宗教に興味無いし、ケメ子もパチンコに興味が無い。
別れよう、とその時本気で思った。
駄菓子菓子、ケメ子は新興宗教と決別し、そして。
そして・・・
リュックサックに最低限の荷物を持って、アメリカへと旅立って行った。
「何をしに行くんだい」と尋ねると
「ビジョンクエストのためよ。」とケメ子は答えた。
さっぱり分からないと言うと、
「悟りを開くための修行よ。」と答えた。
こういう常識を無視した破天荒なところが俺と気があったのかもしれないが、その後何回か会った別れの危機を乗り越え、俺たちは長く付き合うことになった。

そのから5年ぐらいの間、俺は松山勤務を挟み、パチプロとして生活していった。
ケメ子は3カ月アメリカで過ごした後日本に帰ってきて、2週間ほど滞在してまたアメリカに出かけた。
俺はケメ子の帰りをあまり歓迎していなかった。
俺がパチンコで一生懸命に貯めた貯金を、浪費グセのあるケメ子は直ぐに使い果たしてしまうからである。
頼むから、どこでも出かけて行ってくれと俺は頼んだ。
そして、ケメ子はアメリカでの修行を終え(というか飽きた)今度はインド人をグル(指導者、尊師という意味)とする宗教にのめりこんでいった。
今度はインドへ渡ってコミューンで生活し始めたのである。
もう勝手にしてくれと思った。
俺も勝手にするから。

つづく・・・かもしれない。
17  16  15  14  13  12  11  10  9  8  7  6  5  4  3  2  1 
メンバー登録 | プロフィール編集 | 利用規約 | 違反投稿を見付けたら