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【31】

松山物語〜その6

元パチブロK (2013年04月24日 01時17分)
松山では等価の店が多かった。
等価が多いのは時間の少ない身には有り難かった。
しかし、等価の店では釘がそれなりで、いや、激渋というべきで、打てる台が無くて苦労した。
それでは等価以外の店はどうだったか?
実は非等価店は穴場だったのである。
けっこう釘は甘かった。
甘いと言っても限りなく一回交換に近いラッキーナンバー制だったので、当然といえば当然であった。
大街道のアーケード内にあるアルファ共栄、ここは2.5円交換だった。
午前中のみ無制限という変則ルールだったが、午前中しか時間が取れない身には有り難かった。
打つのはノーマル機、連チャン機や確変機は打てなかった。
そこで目をつけたのが、京楽の完全ノーマル機である「パーフェクトゲーム」である。
これはFパワフル似の9分割画面でボウリングがテーマだった。
リーチアクションはノーマルリーチのみ。
演出は極めてシンプルで、そのせいか全く人気が無かった。
特に言うべき事は無いが、画期的な機能が付いていた。
それは、業界初の保留玉変化予告である。
保留玉変化予告は現在ではゲキアツ予告の代名詞のように使われているが、この時代にあったである。
パーフェクトゲームでは、保留玉でリーチがかかる場合、保留玉が赤くなった。
ただし、赤くなったからといって信頼度が高くはならず、単にリーチがかかるだけだった。
また、保留玉が赤くならない場合は非リーチ確定、つまりハズレ確定となるのだった。
それで例えば保留玉が満タンで赤くならない時などは、大当たりの可能性ゼロで消化するだけとなってしまい、興醒めすることこの上なかった。
パーフェクトゲームは、せっかくの画期的機能が付いていながら、その機能が注目されることも無く、不遇の台となった。
そのおかげなのか、1000円で30回程回る台が容易に見つけられ、松山滞在中、最も稼働時間が多い台となった。
ただし、こんなにも良く回る台でありながら収支の方は芳しくは無かった。
ノーマル機の悲しさである。

次回予告 ロマンス

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【35】

松山物語〜その7  評価

元パチブロK (2013年05月04日 21時57分)

思えば松山に暮らした1年間、仕事とパチンコ以外しなかったように思う。
道後温泉会館に一回行ったっけ。
松山城に登ったことが一回だけ。
他に観光に行った所は何もなし。
他に行く所あったはずなのに。
後悔、後悔。

食べ物だってそうだ。
松山の名物といえば?
一六タルト、甘いばっかで旨くない。
五色そうめん、綺麗だけど特に旨くない。
ぼっちゃん団子・・・なんだこりゃ。
松山では食べ物に苦労した。
仕事終わりが夜11時だったので、食べ物屋が開いていないのだ。
開いているとすれば、せいぜい「豚太郎」ぐらい。
これでは飽きる。

ある日、飲み屋街を歩いていると、とあるスナックからいい匂いがしてきた。
実を言うと、俺は酒はほとんど飲めない。
だからスナックやバーにはほとんど入ったことが無い。
勇気を出して入ってみた。
すると、カウンターの上に大皿に乗ったお惣菜がいっぱい乗っていた。
まるでバイキングの食堂みたいだった。
家庭料理のお惣菜は美味だったし値段も安い。
そうか松山のスナックは、酒を飲ませるだけの所じゃなくて、ちゃんとした食事ができるところなんだ。
そんなわけで、そのスナックには週に2,3回通うことになった。
スナックはママさん一人で経営しており、足しげく通っているうちに、いろいろと世間話しをするようになっていた。
俺は東京から来た単身赴任のサラリーマンという設定にしていた。

そんなある日。
それはとても寒い日だった。
いつものように夜遅く店にやって来たが、その日は客が他にいなかった。
客が一人しかいなかったため、なんとなく帰りにくく夜遅くになっていた。
明日の仕事もあるしそろそろ帰ろうと思った時、ママさんが言った。
「今日はもうカンバンにするわ。奥の部屋に行って飲みましょう。」
酒は飲めないのですが・・・と言いかけると、
「大丈夫、私のおごりだから。」
そう言われると断りきれない。
奥の部屋へ行くと、そこは4畳半ぐらいの狭い部屋に真ん中に炬燵があった。
気がつくと、ママさんとの距離は肩が触れ合う程の近さだった。
これはいったい?
もしかして誘われているのか。
ママさんは決して美人とは言えない推定10歳以上年上に見えた。
まあ、それもいい。
どうせ旅先の出来事でもあるし、なるようになればいい。
俺は覚悟を決めた。
「私ね、娘がいるの。」
なぜそんな話を始めたのだろう。
「ママさんの娘なら、さぞかし可愛いんでしょうね。」
旨い事お世辞が言えたぞ。
ママさんは「嫌だわ」と笑いながらもまんざらでもなさそうだった。
よしっ、もう一息だ。
もう少し気分を盛り上げたら、○○を××したり、△△を■■なんてしてみようかな。
妄想は膨らんだ。
「私の娘はね、今、予備校生なのよ。」
ええっ、まさか。
「その予備校って、ええと・・・一番町にある・・・」
「ええ、東進予備校よ。」
えええええええええええええーーーーーーーーーーーーーーーー
ていうことは、娘さんは俺の受け持ちの生徒じゃないか。
これはマズイ。非常にマズイ。
ヒューーーーー
熱は急速に冷めていった。
「明日の朝、早いから」と言い訳もそこそこに、直ぐに家路に着いたのであった。
松山滞在の1年間で唯一の色っぽい出来事は、こうしてあっけなく終わった。
そのスナックには、それ以来行っていない。

次回予告 そろそろ最終回
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