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【119】

ケメ子物語〜その6

元パチブロK (2013年11月22日 22時37分)
そんなわけで、島暮らしと共に不本意ながらサラリーマンになってしまった。
そして、そのサラリーマン生活は半年しか持たなかった。
なぜか。
サラリーマンならば毎日決まった時間に会社に行かなければならない。
朝は朝礼、退屈な話を聞き、その後はラジオ体操。
嫌でも働かなければならない。
嫌いな上司の命令に従わなければならない。
帰りたくても退社時間にならないと帰れない。
土日しか休みがない。
会社員なら当たり前。
しかし、その当たり前のことが限りなく苦痛となり耐えられなかった。
半年後、突然の腹痛に襲われ、病院に行ったら神経性胃炎と診断された。
そんなにも会社が嫌だったのか。
会社が悪いのではない。
長いプチプロ生活をしていくうちにすっかり人間がダメになっていたのだ。
世間ではパチプロなど人間の屑だと言う。
まったくその通りだと心から思う。
一度自堕落な生活に慣れてしまったら、もう元には戻れないのだ。

そして、島での暮らしも単に不便なだけということも分かった。
島にいてはパチンコで喰ってはいけない。
島でのサラリーマン生活はあっけなく終わった。
三原市に引越しして、パチプロ生活に戻ることができた。
一方、ケメ子の方は、意外なことに会社勤めが気に行って、嬉々として毎日会社に通ったのだった。
また実家へ行って母親の介護もしたのだから大変な忙しさだった。
ケメ子がこんなに働き者だったとは・・・。

そうして2年が過ぎた。
ケメ子の母親は認知症が進行して寝たきりとなり、老人ホームに入所することになった。
ケメ子は会社を止めて、人生の最終目標について語り出した。
それは南の島へ移住して自給自足生活を送ることである。
これに関しては10年以上前から二人で話していたことであったが、所詮は夢物語、冗談半分と思っていた。
しかし、ケメ子は本気だった。
よし、分かった。
南の島への移住先を探して、まず沖縄に旅立ったのである。

つづく、たぶん。

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【123】

ケメ子物語〜最終回  評価

元パチブロK (2013年12月04日 20時55分)

沖縄には旅打ちという名目で行った。
沖縄でパチンコで喰って行けるかという調査も兼ねていたからである。
調査の結果、那覇市内であればなんとか稼げるがそれ以外では難しいであろうという結論が出た。
そしかし、本題の移住先探しは難航をきわめた。
沖縄はけっこう人口が多く、海岸近くのいい場所はホテルか米軍基地になっていた。
結論。
沖縄では良い物件が無い。
あったとしても莫大な金がかかる。
そうだ、金・・・・・・・
現実的な話、南国移住には金がかる。
そんな金どこにあるんだ。
無理だ、無理無理、南国の島への移住なんて所詮、夢物語だ。

帰ってケメ子にその話をした。
すると、ケメ子は・・・
ケ 「あらっ、お金なら大丈夫ょ。」
はぁぁぁ???
金あるんか?
ケメ子は出会って以来、働いていない。
どこからも収入を得ていないはず。
しかし、ケメ子はインドやアメリカに数カ月単位で旅行に行くが、その金はいったいどこに?
「金、あるのか。」
ケ 「あるわよ。」
「どこに。」
ケ 「シティバンクと・・・それから野村証券に預けてある。」
ケメ子は海外に預金を持っており、資金を運用していた。
数年前まではオーストラリアドルで定期預金を持っており、当時その年利は5〜6%だったので、複利でいつのまにか増えたという。
さらにケメ子は株、それもトヨタとか武田薬品とかいう堅い株を買って運用して、確実に利益をあげていた。
それらの事実を十数年一緒に暮らしていたのに、少しも知らなかった。
行きあたりばたりで計画性が無く刹那主義で浪費だけが取り柄だと思っていたケメ子が・・・まさかこんなことをしていたとは。
いやいや、行きあたりばったりで計画性の無いのは俺だけだった。
俺はケメ子について何も知らなかったことに気がつかなかった。
それにしても、パチンコの調子が悪くて、生活が苦しくて悩んだことが何度もあった。
そんな時、金があるってなぜ言ってくれなかったのか、ケメ子に尋ねてみた。
「だって、そんなこときかなったもん。」
きかなかったけど、わかるだろ。

その後、沖縄への移住は諦めたものの、奄美大島なら条件合う物件があることが分かって、南国の島への移住は実現した。
畑を耕しているので野菜はほぼ自給、魚は村の人から貰っている。
パチンコは2週間に1度ぐらい、負けてはいないが勝ってもいない。
暑い時は家の前の海で泳ぎ、涼しくなればグランドゴルフで遊ぶ。
正直言って、もう働く必要が無い。
貯金は十分あるから、ケメ子のだけれど。
振り返ってみれば、全てはケメ子の掌の中だったのような気がしないでもない。
ところで、今の俺の立場は、やっぱアレか、
ヒモか?
【120】

RE:ケメ子物語〜その6  評価

chan (2013年12月01日 20時46分)

>それは南の島へ移住して自給自足生活を送ることである

夢があってステキですね♪
実行に移すのは勇気が要りそうですが…

私も無人島で暮らしてみたいとか考えることもあるけど


虫が嫌いなので無理かもw
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