| トップページ | P-WORLDとは | ご利用案内 | 会社案内 |
返信元の記事
【596】

RE:BAR 昭和レトロ

のほSEIL☆ (2022年03月18日 14時56分)

小学四年の夏だった。

通っていた小学校でタバコの集団窃盗事件が発覚した。

六年生を筆頭に七、八人が酒店から
ホープやハイライトのカートンを
盗み出していたのだが、グループは
「見張り」「盗み」「渡し」「自転車で逃走」
という役割分担化され、手口が明らかに
万引きの域を超えていた。

しかも盗んだタバコはグループを
仕切っていた中学生がパチンコ店に渡りをつけ
現金化していたから、いわば組織犯罪である。

所轄の警察が補導から踏み込んだ「捜査」へと乗り出した。

二学期が始まってほどなく、私は担任教諭から
放課後、職員室に来るよう言われた。

行ってみると、今度は教頭室へと移された。

そこには刑事とおぼしき二人の男がいた。

小学四年にして私はピンと来た。

摘発されたメンバーが全員、私と同じ
「山手」の出身だったからである。

あとで分かったことだが刑事の一人は
公安警備の人間だった。

実際、メンバーの一人だった友人の兄は
高校生ながら熱心な解放運動者でもあった。

警察はこの事件をきっかけに「山手」から
不穏分子をあぶりだそうとしていたのだ。

刑事は口調こそ子供相手の柔らかい物腰だったが、
私にいろいろと尋問した。

「〇〇を知っているか」

「どのくらい親しいか」

「家に行ったことはあるか」

「そこの家族からどんな話を聞いたか」


私の出自が「山手」であることは
担任教諭からもたらされたに違いない。
つまり私は窃盗事件には無関係なのに
警察に「売られた」のである。

個人情報もへったくれもない時代であった。

高度成長への道をひた走りながら
貧富の差はまだ戦後をひきずっていた。

現代のシングルマザーとは比較にならない
母子家庭、生活保護家庭はゴロゴロいたし、
毎月の給食費を持ってこられないものが
どのクラスにも一人や二人はいた。

徴収日になるとその少女の瞳が
哀しく濡れていたのを思い出す。



みんな俺らが悪いのか
そんな話があるものか


有線から流れる尾藤イサオの
「悲しき願い」が幼い心を焦がしていた。


■まきさん

>幼き頃、父のおみやげは一冊の本だった。

お人形でも、お菓子でもない。

それはきっと我が家独自の風習で、私は不思議にも思わず、不満に思うこともなく。

一人娘の喜ぶ贈り物を知っていてくれる父に感謝した



正月のお年玉を握りしめて書店で買った
「少年」「ぼくら」「冒険王」。

付録ではちきれそうになった
ひも掛けの一冊を胸に抱いたときの至福感は
現代では味わえないものでした。


土座に声かけを伝えたんだが、
あのウツケはピワ二周しても
どこか分からん、と泣き入れてきた。

しごう、しちゃるか。

■マスター

私のミステリーとの出会いは
江戸川乱歩の少年探偵団。

小林少年と明智小五郎の謎解きに夢中になり、
やがて、子供向けに書き下ろす前のエロ・グロな
陰影を持つ不気味な原作も古本屋で探して読みふけり、
将来はモノ書きになれたらなぁ
とぼんやりと夢想していました。

■ 654件の投稿があります。
67  66  65  64  63  62  61  60  59  58  57  56  55  54  53  52  51  50  49  48  47  46  45  44  43  42  41  40  39  38  37  36  35  34  33  32  31  30  29  28  27  26  25  24  23  22  21  20  19  18  17  16  15  14  13  12  11  10  9  8  7  6  5  4  3  2  1 
【606】

見返り女の昭和談  評価

まきりと2 (2022年03月19日 11時12分)

今では、見る影もないけれど。

小学六年生の頃の私は発育が他の同級生より早く、身嗜みを重んじる母に下着を着ける事を義務付けられていた。

小学生は、差異を見逃さない。

幼きゆえのからかいは時に残酷で、『あいつは胸に食器を入れている』ありがたくない噂は瞬時に拡がって、私は『やーぃ、食器ぃ♪食器ぃ♪』と囃し立てられる日々を送る事となる。

謂れなき恥ずかしさから、男子を追いかけて抗戦を試みた果敢で多感な少女の、その日の敵は五名だったろうか。

  バシーーーーーん

突如、背中に感じた痛みに振り返った先に、仁王立ちの女性教諭が見てとれた。
手には竹刀。

背中からの不意打ちは、からかい仲間の男子ではなく、担任の手によるものだった。

「走り回るのは、止めなさい!」

湧き上がる痛みは、背中より。
心の方が強かった。

私は、先生を見据えていたのだろう。

「なんなの?その目は。女子ならおとなしくしていなさい」


(何も問わず、女子だからと私をぶったのか)


泣かなかった。

痛みがじんじんと背中に熱を与えても。


囃し立てる男子を追いかけ走っていただけのこと。

男子から手をあげられた事はついぞなく、当然、私もそうだった。

走って追いついて、正面から止めてほしいと訴えよう。
まるで武士のよな小学生女子の行動は、担任にはふざけているとしか映らなかったのだろう。


追いかけている側が悪と判断しての事なのか?
だとしても、背後からの不意打ちとはなんなのか。

今もその真意はわからない。


転校生の目に見えた涙ではない何かがそうさせたのか、だがその日以降、食器とからかわれる事はなくなった。

 
  そんな時代も あった ねと


  中島みゆきが聴こえてる。


理不尽を知った昼休みの小学生は、巡り巡る時代を駆けた今も思わずにはいられない。

大人から子どもへ手渡すものは、どうか、その後に歩む道を照らす灯りであるように。

私は、手渡せたのかな。
セガーレに。

今頃、セガーレが「あの時の、かぁさんは嫌だった」と思い出しているのかも。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

こんにちは、のほさま。

本日は、まき流ハードボイルドでお返ししてみましたが、ほのぼの小学生日記の筈が、令和では、まぁまぁの内容になりました(笑)

長い髪を一つ縛りにして、眼鏡にジャージの上下、手には竹刀。

スタイルは、まんま『ごくせん』だった先生は、少し後ハンサムな体育の先生に恋をして、髪を切り、百恵ちゃんの如き立ち姿となって、結婚へ。

「おめでとうございます」その時、先生に言った言葉は偽りなき思いでしたが、この日のシーンは今も時折、再生されて来ます。

大人はつらいよ、な事だってあるのよね。


ごえちゃんのこと。
お心遣いを、ありがとうございます。

彼は大勢の人に出会うリアルを過ごしてらっしゃるし、私の名を忘れているのかも♪( 艸`*)

ごえちゃんは、それで良き。
気長に待つ事と致します。


でも、時々は縁の糸。
引っ張ってみましょかね(笑)
67  66  65  64  63  62  61  60  59  58  57  56  55  54  53  52  51  50  49  48  47  46  45  44  43  42  41  40  39  38  37  36  35  34  33  32  31  30  29  28  27  26  25  24  23  22  21  20  19  18  17  16  15  14  13  12  11  10  9  8  7  6  5  4  3  2  1 
メンバー登録 | プロフィール編集 | 利用規約 | 違反投稿を見付けたら