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【3494】 | RE:いつか見た恋蛍〜osteri... リ〜マン騎士 (2019年12月28日 00時15分) |
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どんよりと垂れ込んだ低く分厚い雲から雨が 降り注いでいる カラダを芯から冷やすような冷たい雨だ 男が立っていた 傘も挿さず ただ立ちすくんでいる 視線は だらっと前に突き出された男の両の手に注がれている 男の手からも止めどなく雨が滴り落ちる 男はじっとその手を見つめている 目に力がない 呆けているようにも見える だが、男は思いかえしていたのだ 自分の今までを振り返っていたのだ この手に オレのこの手に 何が残っているだろう 男はわかっている答えに向かって自問自答していた 全てを中途半端に投げ出して生きてきた 自分の行いに応じて 自分の手から全てが滑り落ちていった この雨のように 何もかも滑り落ちていったのだ 最近は特にひどい いや 観念的なものだけではなくなっていた 男の手は異変を起こしていたのだ 次から次へと 物を落とす 掴んだはずのものが落ちる スマホ 充電ケーブル 洗濯物 チョコレート ペン 本 おかず 茶碗 ノート 歯磨き粉 箸 トレイ 爪切り タオル おしぼり 玉 コイン カバン 手袋 鍵 財布 etc etc 枚挙にいとまがない 何故かコップを落としていないのが不思議なくらい 触った物は皆落とす しかも 下が水たまりだろうが便器だろうがお構いナシだ いつでもどこにでも落とす 手が 指が いうことを聞いていないのだ 先程まで 信じたくはなかった 素知らぬふりを続けていた だが 他ならぬ当の本人ことだ わかっていた わかっていて認めたくなかったのだ そして 先程 遂に 落としてはいけないモノを落とした 2日かけて書いた超大作 『リーマンアワード2019 』 それは この1年 触った機種の ベスト5とワースト5を 本人が味わった体験と思いを盛り込みつつ面白おかしく書き上げた珠玉の一作 男の今年度を総括する渾身の作品だった 明け方 ようやく出来上がった本文に 少し修正を加えようと コピペしようと したその時 指が うまく動いていなかった コピーの範囲が全文になってしまった すぐにカラダに染み込んだ動きで男はコピーの範囲を任意の一文に限定しようとタッチし直したその時 指が 指が 再び思い通りに動かなかった 男の指は 使い慣れたはずのアイホンの そこだけは絶対に触ったらいけない アイコン ×ボタンをタッチしていた その瞬間 3レスあったはずの力作は一瞬にして灰燼と帰した いや違う 文字通り消滅したのだ 全文指定からの×ボタン スマホ使いが 絶対にやってはいけないコンボだった 男は そのまま外に飛び出していた そして呆然と立ち尽くしていたのだ 雨が降り続く 男は既にしっとりと濡れている 震えが来るような寒さの中 それでも男には心地良かった 一度リセットしたかったのだ この身を一度0度にしたいような心境だったのだ 男は空を見上げた 冷たい雨は男には優しかった 男の顔が濡れている 冷たい雨は 何故男の顔が濡れているのかもわからなくしてくれた ボソリと男が呟く よし もういいや やめだやめだ 消えちまったものはしょうがねえ 次行ってみよう〜 男は投げ出した また 中途半端に投げ出したことが増えた 完 |
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【3575】 |
咲(サキ)SAKI (2020年01月10日 17時23分) |
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これは 【3494】 に対する返信です。 | |||
■りぃ〜ちゃん♪ おっつおっつ(^^♪ いつもながら笑かしてくれて(´▽`)アリガト! >この手に >オレのこの手に >何が残っているだろう あら・・・いつになくシリアスなタッチね・・・ >全てを中途半端に投げ出して生きてきた >自分の行いに応じて >自分の手から全てが滑り落ちていった これはマジ話なの? 中途半端に投げ出して生きてキタ?? そんな風には見えなかったけど、 例えばいつ、どの部分が中途半端だったんだろう。(と、想いを馳せてみる >掴んだはずのものが落ちる >いつでもどこにでも落とす >手が指が >いうことを聞いていないのだ りぃ〜ちゃん・・・ そ、それ。 『老化』でありんす♪ふふ。どんまい♪ >全文指定からの×ボタン >スマホ使いが >絶対にやってはいけないコンボだった ・・・ >2日かけて書いた超大作 >『リーマンアワード2019 』 >それはこの1年触った機種のベスト5とワースト5を >本人が味わった体験と思いを盛り込みつつ >面白おかしく書き上げた珠玉の一作 >男の今年度を総括する渾身の作品だった これはもう。 書くしかないネ!!! 「ご指名入りました」 り〜ちゃん、改め、凛々子さん♪ 待ってるよぉ〜!!! |
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