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【374】

『ファイティング寿限無』読み終わりました

わっさ (2011年01月05日 23時56分)
これは、橘家龍太楼という落語家(立川談志がモデル)を師匠に持ち、
一人前の落語家になるために奮闘する男の話です。


正直に言いますと、私はこの作品を侮ってました。

熊楠さんが薦めてくれたものだけど、噺家さんが書いたものだし、
私が普段読んでるのには到底かなわないだろう。
まぁ「それなり」の作品だろうと。

でも、ごめんなさいごめんなさい。すげぇ面白かった。
そして、感動した。読みだしたら最後まで止まらなかった。


ここからは感想という名前の戯言を。


この作品の何が面白いって、第一に主人公の小龍の真摯な姿勢。

師匠の橘家龍太楼に「己に付加価値をつけろ。落語以外の何かでマスコミ
に切り込むンだ。見事に売れて見せろ」と言われた主人公の橘家小龍が
選んだ「落語以外の何か」は、なんとボクシング。

初めは売れたいという思いから必死になっている小龍ですが、実際に売れ
るようになってからは、自分がどんどん落語から離れるようになって戸惑う
ようになる。

どんどん落語から、師匠から離れていってしまうけど、でも今はボクシング
やるしかない。

…ってな葛藤が丁寧に書かれていて、小龍が自分の葛藤の一つ一つに真摯
に向き合っているのがわかります。

だから、最後に小龍が落語をとるか、ボクシングをとるかの選択を万感の
思いで受け取ることができるんです。

また、小龍の周りを囲むキャラクターたちが素晴らしい。
基本、全員がいい人なんですけど、作者の書き分けが巧みなのか個々のキャラ
が立っていて面白いんです。

これだけ面白い小説が書けるのだから、本業の落語はもっと面白いだろう。
ということで、機会があれば高座を聴きに行きたいなぁ。

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RE:『ファイティング寿限無』読み終わりま  評価

熊楠 (2011年01月06日 21時24分)

わっささん

こんばんは。

そうそう、今日のBGMは、大好きな
矢野絢子さんの てろてろ
http://www.youtube.com/watch?v=Z3AcGnnHksA

(これももっともっと評価されても良い曲だと思うのですが)

ファイティング寿限無 楽しんでいただいたようで何よりです^^;)
お薦めした甲斐がありました。

私が特に好きなところは、独演会前に龍之輔師匠(志の輔さんですよね)に相談に行き
スタンダップトークのネタを考えてくれるところなんです。
他にいくつも良いところはあるのに
何故かとても印象に残っていて。
小龍のワクワク感も良く出ていますし
兄弟子のテンポが良い語り口が本当に志の輔さんぽくて。
ほか46名ってさげも良いですよね。
明烏も好きな話なんですよね。

>どんどん落語から、師匠から離れていってしまうけど、でも今はボクシング
>やるしかない。

>…ってな葛藤が丁寧に書かれていて、小龍が自分の葛藤の一つ一つに真摯
>に向き合っているのがわかります。

そうなんですよね。本当に真摯なところが良くて
他にも魅力的な人物が多く
もっともっと注目されても良い本だと思うんですが
ROMしてくれている方々が読んでくれて売り上げが少しでも上がると良いですよね(笑)

神様のカルテですよね。天使ではなく^^;)

明日今読んでいる弾頭が終わる予定なので次に読みます。

わっささんの上手な解説?からすると
絶対私が好きな内容でしょうし、多分涙無しには無理ですね。
また来ます。

バナナマン いえ、赤エンピツのそれを胸に 初めて聞きました。
こういうのもやっているんですね。多才だなぁ。
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