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【4320】 | RE:駄小説 『オレンジ色をした花びら』 あちちち (2009年09月01日 11時56分) |
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≪8≫ 木曜日はバドミントン部とバレー部が体育館を使うことになっているので あいにく今日はロードワークの日だった 当てにしていた天気予報が外れ 昼過ぎから雨が降っていたせいで ロードワークは校内で行うことに変更されていた 4階建ての校舎をグルグルと20周する それが悪天候時のロードワークだったが、2年生になってからは 1つ上階に上っては廊下を走り、さらに下の階に降りるときも廊下を走る いわばジグザグに校舎を走りまわることに変わっていたので 外のコースの距離の5割増しくらいをこなさなければならない だから部員たちは、木曜日に天候が崩れると決まってブーイングをするのであった 「仕方ないな、さぁ走ろうぜ」 僕は比較的長距離を走ることは苦手じゃなかったので 率先して部員たちにそう促した |
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【4613】 |
あちちち (2009年09月08日 11時58分) |
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これは 【4320】 に対する返信です。 | |||
≪9≫ 短時間の中で僕の胸中はかなり高鳴っている 教室の戸を開けた瞬間、そこから一直線上に視線を投げかけると 一番奥に磯里さんが立っていた 窓からこぼれる西日が、 磯里さんのシルエットをくっきりと浮かび上がらせている その光景がより彼女の存在感を増幅させているように感じられ 僕は一種の神々しさをまとっている姿に、数秒釘付けになった エリは彼女から少し離れたところに立っている なかなか教室の中に入ってこない様子に苛立ったのか エリは僕に近づいてきて、 「男ならビシっと…ね!」 そう小声で話しかけてきた つい先ほどまではこんなシチュエーションになるなんて 誰が想像したことだろう 僕は一歩、また一歩と教室の奥に向かって壊れかけのロボットのように ぎこちなさを携えつつ歩き出す ガシャ ガシャ… そんな音が聞こえてくるようだ その歩みがあと2、3歩で目標地点に達しようとしたとき エリは僕に微笑みながら教室の外へと出て行ってしまった その光景はまるで、ヴァージンロードを歩く新婦が 父親から新郎へ受け継がれるような そんな感じに見えた 「さっきは・・・ 部活の邪魔しちゃってごめんね?」 先に口を開いたのは磯里さんだった 「あ、あぁ いやいや、こっちの方こそ」 ボクシングのジャブのような会話を交えたところで 僕は いよいよ決心をして言ったんだ 「磯里さん 好きです。 良かったら僕と付き合ってもらえませんか」 そのとき、彼女の後方から差していた西日が ちょうど彼女の背中と太陽がで重なったことで それまで見え辛かった表情が 僕には鮮明に見てとれた |
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