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【4319】 | RE:駄小説 『オレンジ色をした花びら』 あちちち (2009年09月01日 11時55分) |
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5周くらいを過ぎたころ いつものランニングハイに陥った僕は、少しギアを上げて走っていた 4階から3階への階段を1段飛ばしで駆け降りたところでそのハプニングが起こる 「あっ 危ね!!」 廊下の影から現れた人影にぶつかってしまった 咄嗟のサイドステップで正面衝突こそ免れたようだったが 向こうもボケっとしてたのか、かわす反応が遅れたようだった あ・・・・ ぶつかった相手は思いもかけない人だった 「あ、あ〜 磯里さん、ごめんね? 大丈夫・・?」 僕は汗で濡れた手をTシャツで拭い その手を差し伸べた 「う、うん・・・ あたしも余所見してたから」 彼女はその直後にぶつかった当事者が僕だと気づいた様子だ 「あ、藤沢君じゃない」 彼女が落としたバッグを拾ったところ、向かえの教室からエリが出てきた 突然のことで互いに驚いた後で、少しの気まずさが 目が合ったときに二人を襲う 途端エリが僕に 「ちょっと こっち!! ・・・・いいから〜 早く!!」 僕は磯里さんに気を取られながら何が何だかわからず その場から少し離れたところに連れてかれた 「ちょっと! 超〜タイミングいいじゃない! 今ね 磯里さんと教室で話してたのよ」 「へ? 何を?」 僕は上がっていた息を整え、声を小さくして話すエリに顔を近づけた 「だ〜か〜ら〜 前に言ったでしょ? 仲を取り持ってあげようかって」 僕はロードワーク中だったこともあって まだエリの言っている意味がわからなかった 「磯里さんね、けっこうイイと思ってるみたいよ 藤沢君のこと! これも何かの縁だから、今言っちゃいなよ!」 明らかにまだ状況が把握できていない僕と 水面下で作為的なことを考えていたエリとの間には温度差があったが、 僕は 「う、うん わかったよ」 うまく乗せられそう答えてしまった 振り向くと磯里さんが何やら不思議そうな顔でこちらを窺っている 「いい? F組の教室に二人入るから少したったら入ってきて!」 「いや・・・ちょ。 僕まだロードワーク中なんだけど・・・」 僕は後ろから走ってくる後輩らの視線を気にしながら耳打ちした 「このタイミング逃したら いつ言うのよ! ぶつかったのが功を奏すると思って今言うのよ!」 うまく頭の中の整理がつかなかったが とりあえず部活中だったのでもう1周走ることにし、 先輩には突然の腹痛で棄権する、ということにした後 僕は小走りに3階ある F組の教室を目指した その時、僕の背中を押していたものはエリの助言ではなく きっと今朝のテレビの占いだったのかもしれないな そう思いながら僕は教室の戸を開けた |
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【4320】 |
あちちち (2009年09月01日 11時56分) |
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これは 【4319】 に対する返信です。 | |||
≪8≫ 木曜日はバドミントン部とバレー部が体育館を使うことになっているので あいにく今日はロードワークの日だった 当てにしていた天気予報が外れ 昼過ぎから雨が降っていたせいで ロードワークは校内で行うことに変更されていた 4階建ての校舎をグルグルと20周する それが悪天候時のロードワークだったが、2年生になってからは 1つ上階に上っては廊下を走り、さらに下の階に降りるときも廊下を走る いわばジグザグに校舎を走りまわることに変わっていたので 外のコースの距離の5割増しくらいをこなさなければならない だから部員たちは、木曜日に天候が崩れると決まってブーイングをするのであった 「仕方ないな、さぁ走ろうぜ」 僕は比較的長距離を走ることは苦手じゃなかったので 率先して部員たちにそう促した |
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