返信元の記事 | |||
【9704】 | 働かせてください!Vol.17 ヴァランカス。 (2009年11月30日 19時17分) |
||
いや、オサーンは失礼だったか・・・よく見るとやや白髪混じりだが、パリッとスーツでも着ればすぐにでもクラブGAROに黒服としてスカウトしたくなるような紳士であった。 彼の名はsuper-god。聞いてもいないのに今から横浜港でとんでもないものが取引されるという情報を掴み、向かっているとのこと。 ヴァランカスは電車に飛び乗ったはいいものの、カルテットが「近く横浜で集合する」という情報しか掴んでいない。この紳士に声を掛けられたのも何かの縁、ヴァランカスはこの男に付いていく事にした。 godはいささか迷惑そうな表情もみせたが、ヴァランカスの熱意に負け同行を承諾した。 〜横浜港No.17倉庫前〜 二人はほんの数時間前に荷揚げされた木箱の陰に隠れしばらく倉庫前の様子を覗った。時間は既に23時を回っていた。 街灯があるとはいえ顔を識別することは困難を極める。残念ながら会話を聞き取ることも出来そうに無い。 倉庫前には見張り役と思われる男が1人・・・携帯でなにやら話している。必ずなにか起こる!そう感じさせる緊張した空気が辺りを包んでいた。 そしてその時はついにやってきた。 辺りを灯していた街灯が一斉消灯したと同時に一台のトラックが倉庫から走り出した。 godは一瞬ではあったがトラックに照らされた人影を数えた。「・・・倉庫に2人、見張りが1人、運転手が1人、助手席に1人か・・・1人は女だな・・・」 ヴァランカスは目をしばたかせた。「何故あの一瞬で・・・しかも性別まで・・・」 godは「骨格・・・」とだけ言って古びたメモ帳を仕舞った。 そのとき倉庫の方角から目も眩むような光が二人を牽制した。 「逃げるぞ!」godはそう言ってヴァランカスの背中を押すと違う方向に走りだした。一緒に逃げるより安全と踏んだのだろう。ヴァランカスは脱兎の如く走った。 埠頭を後にし公園の茂みに身を潜めながらヴァランカスは考えていた。 あのgodという男・・・ただの情報屋ではないな・・・一瞬で人数を把握し、骨格で性別を判断するなんて・・・ 男4人に女が1人・・・一か八かgodさんについていったのが正解だったようだ。間違いない、奴らだ! つづく |
■ 9,986件の投稿があります。 |
© P-WORLD