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【4801】 | 「魔戒樹」Vol.9 〜再会〜 ヴァランカス。 (2009年08月18日 19時34分) |
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物語はフィクションであり、登場する人物・団体・地名等は架空のものです。Vol.8は【4617】にあります。 なにやら携帯が騒がしい。見慣れぬアドレスのメールが何通も来ていた。M美だ。祖母が危篤となり急遽故郷へ飛んだのだという。 携帯をなくし、いままで連絡が出来なかったことを謝っている。M美は無事だったのだ。なにもかも許せた。 「この前の温泉にまた行かない?あれからすごくお肌調子いいの♪」男はもう温泉はしばらく懲り懲りだと思った。 「お前、内ももにあざがあるか?」男は返信した。 「なに?急に(笑)」「そうね、また連れてってくれたら確かめさせてあげてもいいかな。」 一週間後、二人はまた例の旅館へ向かった。男はその後の様子も気になっていたためしぶしぶ了解したのだった・・・ 旅館に近づいた二人は異変に気づいた。旅館へ続く一本道が草木によって覆い隠されるように荒れているのだ。車ではこれ以上進めないところまで来たとき一人の老婆に出会った。 M美は老婆に尋ねた。「この先の旅館に行きたいのですが。これ以上進めなくて・・・なにかあったのですか?」 老婆は静かに口開いた。「旅館?あぁ〜あの旅館のことかい。かれこれ10年前になるかのぅ・・・化け物がでると噂になって取り壊されちまったよ。」 M美は声を詰まらせながら「だって、私達・・先週も・・・」男はM美の口を塞ぐと老婆に会釈し先を急いだ。 「あのおばあちゃんきっと勘違いしてるのね。」M美は動揺を取り繕うように呟いた。 二人は旅館のあった場所に到着したが・・・廃屋の跡がかすかに残っているだけであった。辺りを見渡すと一本の樹が目に入った。 奥ゆかしげに植わっているその樹は滑らかな表皮と女性のウエストラインを想像させる美しい曲線が特徴的であった。 さながら両腕のように幹に絡みついた枝には生命にあふれた赤い実がひとつ生(な)っていた。 〜完〜 最後迄お付き合いありがとうございました(^^/~ |
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【4813】 |
エンディング2 (2009年08月18日 22時35分) |
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これは 【4801】 に対する返信です。 | |||
なるほど… 夏にふさわしい…ちょっとこわーーい!お話だったのかぁ?? 最後の実は、ヴァランカスの実って!締め方も最高だね^^ さすが、SEAMOの切り込みたい体調だ^^; |
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